●舞い上がりは内部被ばく10倍=放射性セシウム、直接吸入と比較-
原子力機構解析
 
時事通信 [9/20 11:04]
 
 東京電力福島第1原発事故で、
 
一度地面に降下し風で舞い上がるなどした
放射性セシウムを取り込んだ場合の
 
内部被ばく量は、
 
大気から直接吸入するのに比べて
 
約10倍多いとの
 
解析結果を、
 
日本原子力研究開発機構(茨城県東海村)がまとめた。
 
 北九州市で開催中の日本原子力学会で22日、発表される。
 
 同機構安全研究センターの木村仁宣研究員(放射線防護学)は
 
地面からの再浮遊を防ぐための除染が重要となる」と指摘している。
 
 東電や文部科学省などの調査データを基に、
 
福島県南相馬市の測定地点で、
 
ヨウ素131、セシウム134、137が
 
空気から直接体内に入った場合(3月20日~5月19日)と、
 
地面に降下した分が再び浮遊して取り込まれた場合(4月3日~6月4日)の
 
内部被ばく量を算出した。
 
その結果、
 
セシウム134、137は直接吸入で
0.0076~0.0099ミリシーベルトだったのに対し、
 
再浮遊では0.077~0.09ミリシーベルト
 
と約10倍に上った。
 
 一方、半減期の短いヨウ素131は
 
直接吸入0.071ミリシーベルト、
 
再浮遊0.045ミリシーベルトと大きな差はなかった。
 
 セシウム134の半減期は約2年、
 
137は約30年で、
 
再浮遊の影響が長く続くとみられる。
 
 木村研究員は「放射性物質の種類によって、
 
被ばく経路に大きな違いがある」としている。