●震災3カ月、各地で脱原発デモ 福島・新宿・フランス…

6月11日 23:49

 東日本大震災から3カ月の11日、

「脱原発」を訴えるデモやイベントが全国各地で開かれた。

 東京・新宿では、インターネットでの呼びかけなどで
集まった多くの人たちが午後3時すぎから行進。

 ロックやちんどん屋の生演奏を先頭に、
休日の繁華街を約3キロ歩いた。

 主催者によると約2万人が参加したという。

 都内の会社員、斎藤誠さん(43)は、妻と2人の息子と参加した。

 こうしたデモ行進は初めて。

 「子どもの将来が何より気になる。

 原発は即停止しかないだろう」と話した。

 百貨店で買い物をしていた都内の杉本則子さん(60)は飛び入りで加わった。

 「原発がないと生活ができないでしょ、と問われても、今までは返す言葉がなかった。

 その答えを真剣に考える責任があると思う」

 福島県内の各地でもデモや集会があった。

 郡山市では約200人が「ノーモア・フクシマ」
「ふる里をかえせ!」などと手書きしたプラカードを掲げながら歩いた。

 福島第一原発の事故の影響で、郡山市内の放射線量は今でも、

東京の20倍以上。

 同県須賀川市の主婦橋本円香(まどか)さん(36)はマスクに
「深呼吸も出来やしねえ」
とのメッセージを貼りつけて歩いた。

 「本当はデモなんかしたくない。

 でも、地元から、原発反対の声を上げないといけないと思いました」

 この日の行動は、福島第一原発の事故が起きてから
東京都内でデモを主催していた環境保護団体「グリーンピース」や
リサイクルショップ「素人の乱」の関係者らが話し合い、
「6・11脱原発100万人アクション」と題して
世界各国にも呼びかけて実施した。

     ◇

 世界有数の原発大国フランス・パリや
豪メルボルン、香港、台北などでもこの日、集会やデモがあった。

 パリでは、中心部の市庁舎前に数千人が集まり、
脱原発を訴える日本の人々との連帯を表明。

 脱原発の方針を打ち出したヨーロッパエコロジー・緑の党をはじめ、
原発を推進する姿勢を崩さないサルコジ政権と
対立する野党各党の議員らが次々に演説した。

 主催したNGOメンバーのシャルロット・ミジョンさんは
「各国は原発の安全性検査を実施すると言うが、

原発を続けるための言い訳に使われかねない」と指摘した。

■朝日新聞社