それにしても、最近、朝日新聞はミスが多いですね。
 
●米・竜巻被災地の美談に異論の声
 「男はオオカミだった」
 
NEWS ポストセブン
 [5/30 16:05]
 
 5月20日付の朝日新聞朝刊の国際面に、
日本人の心をくすぐるコラムが載った。
 
 「特派員メモ お手本はあなた」と題する記事で書かれていたのは、
4月27日に竜巻が襲い、死者・不明者350名以上を数えた
米南部タスカルーサ(アラバマ州)の避難所の様子だ。
 
〈「東日本大震災の被災者がお手本」。
 現地で出会った多くの被災者やボランティアがそう語った〉
 
 同記事では整然と並んで配給食を待つ避難者や、
「どんな状況下でも人間は礼節と尊厳を保てると、日本人が示してくれた」
という市職員のコメントを紹介した。
 
 その通りなら何とも心温まる話だし、
日本人として誇らしく思う。
 
 が、実態は違っていた。
 
 タスカルーサでは被災直後から略奪が頻発し、社会不安が高まっていたのだ。
 
 朝日の特派員氏が現地入りしたのは「5月初め」だが、
すでに5月1日にはW・マドックス市長は
夜間外出禁止令を発令済み。
 
 その後、市警が警戒にあたったものの略奪は収まらず、
市長は州兵の出動を要請した。
 
 
  辛うじて竜巻被害を逃れた D・スケルトンさん(54)は、
自宅玄関に「You loot, I shoot(略奪するなら撃つぞ)」
という手書きの看板を掲げた。
 
 「州兵が来るまで、ライフル片手に寝ずの番だった」と興奮気味に語った。
 
 外出禁止令が解除された10日までに略奪や暴行で22名が逮捕されたほか、
州兵が被災女性に性的暴行を加えたとの噂も流れた。
 
 人口9万3000人のタスカルーサは、
アラバマ州立大学(学生数3万人)を中心とする学園都市。
 
 同大の女子学生は、「守ってくれる男も、
略奪しようとする男もオオカミだった」と怯えきった声で回想した。
 
 朝日が紹介した市職員のエリック・トンプソン氏(計画開発部シニアアドバイザー)は、
理想と現実のあまりの落差に消沈したのか、
本誌がコメントを求めると、
「忙しいので話せない」とつれない返事。
 
 かわって同僚の女性職員が、
苦笑混じりにこう語った。
 
 「竜巻が来ようと来まいと、盗みは日常茶飯事ですよ
 
※週刊ポスト
2011年6月10日号