まあ、東電があぐらをかいていた。
 
 危機感のなさ。
 
 天下り団体であること。
 
 などが、原因ですな。
 
 
●高い放射線量、東電公表せず
 3号機、水素爆発前に把握
 
5月13日 05:33
 
 福島第一原発の事故をめぐり、東京電力が、
3月14日に水素爆発を起こした3号機の原子炉建屋について、
その前日から高い放射線量のデータを把握していたにもかかわらず、
公表していなかったことが分かった。
 
 東電の内部資料で判明した。
 
 原子力の専門家らは「作業員や国民の情報共有のため、
具体的な数値をいち早く明らかにすべきだった」と指摘している。
 
 この爆発で東電社員7人が負傷。
 
 今後の事故検証で、データ共有しなかったことが避難の遅れにつながらなかったかなど、
 
東電の対応ミスの有無が焦点の一つになる見通しだ。
 
 この内部資料もそれを判断する材料になるとみられる。
 
 朝日新聞が入手した内部資料は、
 
地震が発生した3月11日から4月30日までの期間に、
福島第一原発の事故をめぐる動きが
時系列で並べられている計約100ページの一覧表。
 
 原発や東電本社など様々な情報を集約したとみられ、
原発内の放射線量や原子炉内の圧力、
水位についてのデータや、
保安や復旧を担当する各班の動き、
敷地内の放射線量などが、
分単位で記載されている。
 
 福島第一原発では運転中だった1~3号機が3月11日の地震で自動停止。
 
 その後に津波に襲われた影響で全電源が喪失し、
原子炉が冷却できなくなった。
 
 12日に1号機が水素爆発した後、
3号機では13日午後から炉内に海水を注入して冷却が試みられたが、
14日午前11時ごろに水素爆発を起こし、
原子炉建屋の上部が吹き飛んだ。
 
 燃料棒が一時露出するなど炉心が損傷し、爆発しやすい水素が発生していたとみられる。
 
 東電の内部資料によると、
3号機については、13日から、
原子炉建屋内の高い放射線量のデータや水素が
増えている可能性について記述があった。
 
「二重扉内側300mSv/h(ミリシーベルト毎時)」
(13日午後1時17分)、
 
「水素がたまっている可能性が高い(1号機と同様)」(13日午後2時7分)
「二重扉北側300mSv/h以上(中は白いもやもや状態)、
南側100mSv/h」(13日午後2時31分)などだ。
 
 毎時300ミリシーベルトは、
福島第一原発の作業員に限って認められる年間の上限線量250ミリシーベルトと
比べても非常に高い数値だが、
東電はこれらのデータについて未公表だ。
 
 枝野幸男官房長官は3月13日午後の記者会見で、
3号機で水素爆発が起こる可能性について言及したが、
結局、その爆発で7人が負傷し、
うち6人に放射性物質の付着が確認された。
 
 宮崎慶次・大阪大名誉教授(原子炉工学)は、
非常事態だからこそ現場は対応に追われていたはずで、
東電本社が判断して、具体的なデータを作業員や国民に公表すべきだろう。
 公表しなかった本社の判断は、今後検証されなければいけない
と指摘。
 
 技術評論家の桜井淳さんも
「日本の原発事故への対応は、
世界的に注目を集めている。
 
 このデータにとどまらず、
携わった人の証言、
東電本社、
国などの指揮命令、
判断とその根拠、
情報が正確に現場へ伝わっていたのかなど、
 
今後も解明する必要がある」と話している。
 
 東電広報部は「放射線量が高いことについては、
これまでも事実として公表させてもらっているが、
その具体的なデータなどは公表していない。
 
 整理し、しっかりとまとめた上で公表したい」としている。
 
(藤森かもめ、小堀龍之、野口陽)
 
■朝日新聞社