フィギュアスケートネタです。

 フィギュアスケートは採点競技です。

 「審判」という人間の目よって判断されて、勝負が決まるスポーツです。
 「審判」の「好み」によって、いくらでも選手の順位は変わります。

 これは、旧採点方式の時も、新採点方式になってからも変わりません。

 新採点方式は、毎年、毎年ルールが改正されて行きますが、
(今年は、大幅な改正がありましたが)
どんなに、ルールが改善されていっても、採点競技である以上、
つまり、採点が人の目で判断されている以上、
公平な採点というのは、ないのです。

 選手たちは、それを承知で競技をやっているのだから、
ちょっとかわいそうな気がしますが。

 さて、陸上100mのウサイン・ボルトは、世界で一番速いタイムで走ります。
 だから、ボルト選手は、世界最高の選手と言えるでしょう。
 しかも、陸上のタイムは、人間の目ではなく、
機械で計測するので正確です。
 だから、ボルト選手が世界最高の選手、というのは、
誰も異論をとなえる人はいないでしょう。


 しかし、フィギュアスケートは採点競技です。

 勝負は、人間の目で行われています。

 フィギュアスケートは、その試合で、選手の得点が出ますが、
その得点は、その試合でのその時の
勝負を決めるための、「単なる目安」でしかありません。

 その得点が高かったからと言って、その選手が最高の選手ということにはなりません。


 バンクーバー五輪で、キムヨナ選手は、高い得点を出して優勝したのだから、
キムヨナ選手が最高の選手? と言えるでしょうか。

キムヨナ選手は、平凡な演技、平凡なジャンプで、
異常に高い得点を出して優勝しているのです。

 しかし、浅田真央さんは、女子では世界でたったひとりしかできない
トリプルアクセルをショート、フリーを含めて
3回成功させているのです。

 しかし、得点は低く押さえられていたのです。

 浅田真央さんは、フリーの演技で、ジャンプをふたつミスしています。

もし、このふたつのジャンプのミスがなくて、
浅田真央さんがノーミスの演技をしたとしても、

技術的には、浅田真央さん以外誰も出来ないトリプルアクセルを跳んでいるのに、
浅田真央さんがノーミスでも、平凡なジャンプしか跳ばない
キムヨナ選手の得点を上回ることが出来ないのです。

 つまり、どれだけキムヨナ選手の得点が異常だったか、ということです。

 だから、バンクーバー五輪は、デキレースだ、と言われたのです。

 これも、すべて採点競技のおかげです。


 バンクーバー五輪の時の得点は、

●キムヨナ
○ショート(SP)
技術点(TES)
基礎点(BV)34.90
出来栄え点(GOE)9.80
34.90+9.80=44.70
技術点(TES)44.70
演技・構成点(PCS)
33.80
44.70+33.80=78.50
ショートの得点78.50

○フリー(FS)
技術点(TES)
BV:60.90
GOE:17.40
60.90+17.40=78.30
TES:78.30
PCS:71.76
78.30+71.76=150.06
FSの得点150.06

○総合得点
78.50+150.06=228.56
キムヨナの総合得点
228.56


●浅田真央
○ショート(SP)
TES
BV:34.40
GOE:7.10
34.40+7.10=41.50
TES:41.50
PCS:32.28
41.50+32.28=73.78
ショートの得点73.78

○フリー(FS)
技術点(TES)
BV:55.86
GOE:8.82
55.86+8.82=64.68
TES:64.68
PCS:67.04
64.68+67.04=131.72
FSの得点131.72

○総合得点
73.78+131.72=205.50
浅田真央の総合得点
205.50


 キムヨナ選手のフリーのGOEが17.40もあるのです。
(普通、17.40のような
GOEの得点は出ません)


それに比べて浅田真央さんのGOEは8.82しかないのです。

これで、大きく点差が開いてしまったのです。

そして、演技・構成点(PCS)では、
キムヨナ選手が71.76
浅田真央さんが67.04

と、キムヨナ選手が異常に高いPCSの得点を出しているのです。
女子では、普通こんな
70点を超えるPCSの得点は出ません。
どんなに高くても68点ぐらいです。


 だから、キムヨナ選手の得点がどんなに異常に高い得点だったか、です。

 もし浅田真央さんのフリーで、
ジャンプのミスがなくて、ノーミスだったとしたら、

フリーの基礎点が64.00になり、
キムヨナ選手の60.90より高くなるのです。

しかし、GOEを合わせた技術点は、
73.30で、キムヨナ選手の78.30より低くなるのです。
いかに、キムヨナ選手のGOEが高いか、ということです。

 浅田真央さんのノーミスだった場合の総合得点は、214.12で、
キムヨナ選手の228.56に遠く及ばないのです。


つまり、浅田真央さんがバンクーバー五輪で、ノーミスの演技をしても、

優勝出来なかった、ということです。

キムヨナ選手と浅田真央さんの得点が競(せ)っていて、
浅田真央さんがジャンプをふたつミスして負けたというのなら、
話は分かります。

 しかし、浅田真央さんがノーミスの演技しても、
キムヨナ選手に勝てないというのは、
これは、もう「勝負」ではありません。

だから、デキレースだ、と言われたのです。

キムヨナ選手も、トリプルアクセルを跳んで、浅田真央さんと
優勝を争った、というのなら、話は分かります。

 しかし、平凡なジャンプしか跳ばないキムヨナ選手が、
ほかの女子では誰も跳ぶことが出来ないトリプルアクセルを跳んでいる浅田真央さんが、
キムヨナ選手に勝てない、というのは、理屈に合わない話です。


 だから、これが採点競技なのです。


 どんなに難しいジャンプを跳んでも得点が低く押さえられ、
平凡なジャンプを跳んで高い得点が出て、
キムヨナ選手が優勝しても、

キムヨナ選手が最高の選手だ、ということにはならないでしょう。

バンクーバー五輪では、浅田真央さんが、ふたつのジャンプでミスしているので、
バンクーバー五輪の結果は、浅田真央さんの負けでしょう。

 しかし、たとえキムヨナ選手の優勝だったとしても、その得点が異常に高すぎるのです。


 審判の採点がおかしい、というのは、ほかにもいくらでもあります。

 フィギュアスケートが採点競技である以上、
その得点を見て、誰が最高の選手だ、ということは出来ないでしょう。