フィギュアスケートDays vol12 続き。

　「フィギュアスケートDays vol12」の続きです。

　藤森美恵子氏へのインタビュー記事です。

　藤森氏は、プルシェンコについて、辛口の評価を述べています。

「最初に４回転など高得点のエレメンツを決めて、逃げ切ろうという作戦でした。
　しかし、彼の表現方法は上半身の動きが多く、
滑りながらフットワークと合わせる難しいものではなく、
止まって曲を表現するステーショナリーステップ。
　次のジャンプのために走っていくという感じで、
トランジッション（エレメンツのつなぎ）のステップはほとんどありません。

　現在のフィギュアスケートの目指す方向からは、
少し外れた演技だったかなと思います。

　しかし、４分半あるフリーでは、
彼が入れてこなかったもの、
磨いてこなかった部分が少し目立ってしまったかもしれませんね」


　藤森氏も、ちゃんと分かっているんですね。


　そして、藤森氏は、長洲未来さんのことを高く評価しています。


ショートについて、
「公式練習から強い印象を残したのが、アメリカの長洲未来。
　彼女の滑りを生で見るのは07年の日米対抗戦以来なのですが、
スピンと滑りの質の良さにびっくりしました。
　レイバックスピンのアーチの形、そこからサイドウェイズ、ビールマンと姿勢を変えていく時に、
頭の位置が変わらないポジションがすごいです。
　スパイラルやコンビネーションスピンもGOEで
プラス３の評価をもらえる質の高いもの。
　この大会、長洲未来は日本選手の強敵になるという予感がしました」


フリーで、
「最終滑走の長洲未来は、レイバックスピン、コンビネーションスピン、スパイラルなどの
切り札となるエレメンツでGOEプラス３を獲得。
　ステップはまだそれほどではありませんが、
これからうまくなると思います。

　彼女は、ショートからフリーの間に、スケーティングスキルの評価がとても上がりました。
　これはフリーの公式練習で他のトップ選手に見劣りしない滑りを、
ジャッジが認めたのだと思います」


　藤森氏の言うように、長洲未来さんは、日本の強敵になるでしょう。


　そして、浅田真央さんのトリプルアクセルについて、
「トリプルアクセルは、男性には簡単かもしれませんが、
女性には非常に難しいエレメンツです。
　もっとベースバリューを考えた方が良いのではないですか。

　今は、男子も女子も同じ基礎点ですが、
女子にとってのトリプルアクセルや４回転は、男子と同じではありません。
身体能力も違います。
基礎点を分ける必要もあると思います」


　女子と男子が対決するのであるなら、女子の基礎点を上げる必要があるでしょう。

　しかし、女子同士で対決するのなら、男子との基礎点を変える必要はないと思うのですが。