フィギュアスケートネタです。

 「キス・アンド・クライ」その6です。



フィギュアスケートは、政治的なスポーツ。

117ページ。
「このグランプリファイナルで大輔ではなく、ランビエールが金メダリストになった背景には、
フィギュアスケートの世界独特の政治が働いていたと私は考えてている。

政治とは一言で言うと、接戦ならヨーロッパの選手にグランプリファイナルは勝たせたほうがいいという配慮だ。

 ヨーロッパの選手に勝ってもらわないといけないという政治が働く。
 そうなると接戦の場合は、審査員はプログラムコンポーネンツスコアにわずかだが
感情や政治の影響を受けた点数を与えてしまう可能性があるのだ。

 どちらにしても、この大会で大輔は、政治が働いたり、
もちろん他の選手も強かったりするために、
他の選手よりも一歩抜きん出ない限り、優勝は難しかった。
 つまり、いい結果を出すには、
大輔はつねにヨーロッパの競争相手より
はるかにすばらしいプログラムを滑らなければならないのだ」



 高橋大輔さんは、高いPCSがもらえるようになったけれど、
やっぱり、この政治は今でも働いているのでしょうか。




簡単に見える難しいプログラム。

128ページ。
「他の多くのスポーツと違い、フィギュアスケートでは
技術と表現(個性)とが切り離されることはない。
 技術だけでも表現だけでもダメで、両者が一体となって発揮されて初めて、
評価に値するものとなるのだ。

 与えられる得点が、技術面(トータルエレメントスコア)と
構成面(プログラムコンポーネンツスコア)
に分かれているのはそのためだ。

 したがってプログラムは、難しい技が盛り込まれていながらも、
すべて難しい技を魅力的に表現するものではなくてはならない。
 各選手の最大の強みを盛り込み、それをもって最大限に観衆を魅了すると同時に、
なおかつジャッジの注目を惹き、
彼らの目と耳と心を奪うものでなければならないのだ。

 一言で言えば、「簡単に見える」難しいプログラムである必要がある。

 では、簡単に見える難しいプログラムをつくるにはどうしたらいいのか?
そのためにはまず、現行の採点法を熟知することが前提条件になる。
 ただ難しいことをやればいいのではない。
点数が取れる難しいプログラムでなければならない。

 プログラムそのものに戦略を持たせることが重要なのだ」




 プルシェンコの振り付け師は、このことを十分理解していたのだろうかと思います。

 タラソワコーチも、浅田真央さんをバンクーバーで
勝たせるためのプログラムを考えたのではなく、
ミシェル・クワンにできなかったことを浅田真央さんにやらせたかっただけなんですね。

 しかし、藤森美恵子氏は、安藤美姫さんの「クレオパトラ」は、
オリンピックにふさわしい曲ではない、と言っているので、
モロゾフコーチの言っていることは、100%正解という訳には行かないですね。


今回は、ここまで。