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「ワールドフィギュアスケートバンクーバー五輪特集編」の続きです。

 「激戦の女子シングルを振り返って」というタイトルで、
藤森美恵子氏のインタビュー記事が載っているので、それの感想を。


 藤森美恵子氏は、女子のショートでジャッジを務めたのですね。

 とすると、本音はしゃべれないでしょうね。

 このインタビュー記事には、ほかの選手の点数が低かったことについて書いているけれど、
キム・ヨナ選手の高すぎた点数については、何も話していない。
 3Lz+3Tや2A+3Tが、すごく良かったと記事に書いています。
 それは、いいんです。そのほかの技でGOEが高すぎた、と言っているのです。
 それから、9点台の出たPCSについても、何も述べていない。

 PCSに関しては、
「高い技術に表現力がプラスされ、5コンポーネンツも上がっていく」

これだけしか書かれていないのですね。


 ほかの選手の点数が低かったことについては。


 浅田真央さんの3Aについて、

「トリプルアクセルというのは、女子にとっては幻のジャンプに近いものです。
1992年のアルベールビル五輪の伊藤みどりさん以来、
五輪では誰も跳んでいなかったのですから。
 それだけ難易度の高い技のベースバリューが低すぎるのではないかと、
競技後にジャッジや技術役員が集まって採点について協議する
ラウンドテーブルディスカッションで提議しました。
 トリプルアクセルは、男子と違って、女子には非常にリスクのある難しいジャンプなのですから、
革新的な要素に対してボーナスをつけるというルールの適用を検討するべきではないかといったことも、
今後技術委員会に提案していきたいと考えています」
と述べています。


 浅田真央さんの「鐘」について、

「ただ、ほかのプログラムでは、たいてい途中でテンポやリズムや曲調が切り替わるので、
たとえどこかで失敗したとしても、その前の部分の失敗の印象を薄れさせる効果があります。
今回の『鐘』にはそういう効果がなかったという点で非常に難しかったとは思います」
と述べています。


安藤美姫さんについて、
(ショートの)
「ソロのトリプルフリップを跳ぶまでの待ち時間も長かった。
単独で跳ぶジャンプは質がよくても、すぐに跳ばないと高い評価につながらないんです」

フリーの「クレオパトラ」について、

「音楽としてはオリンピックで戦う曲ではないような印象を受けました。
技術や長所がいちばん高く評価されるには、どういった曲がもっともふさわしいかが
もっと考えられたほうがよかったのではと思いました」
と述べています。


長洲未来さんについて、

「長洲未来選手のSPの公式練習を見たとき、本当に驚いたんです。
練習でキム選手を見ていても、一緒のグループで滑っている長洲選手に自然と目が向きました。
スパイラルも膝がきちんと入っていて本当にに美しいラインだし、
ジャンプの着氷の際のフリーレッグもとてもきれいです。
コンビネーションスピンやレイバックスピンでも全員からプラス3をもらっています」

と長洲未来さんをほめています。


ラウラ・レピスト選手について、

「5コンポーネンツはもっと出てもよかったんじゃないかと個人的に思いました」
と述べています。


織田信成さんについて、(私も同じ意見です)

「正当な評価がつく以外の部分で、何か付録の要素がついてきてしまい、
それでいつも順位を損しているのが残念です」
と述べています。


 と、ほかの選手については、いろいろ述べているが、
この本では、「プラスGOE採点のガイドライン」の一覧表(2番目の写真)を載せて、
キム・ヨナ選手のGOEが高かったことを説明しようとしているが、
なぜ、キム・ヨナ選手の3Lz+3Tや2A+3T以外の技
のGOEが高かったのか、
説明されていない。


 やっぱり、ジャッジは、本音はしゃべれないのでしょうね。