フィギュアスケートネタです。

 もうひとつ、田村明子氏著の「パーフェクトプログラム」に
鈴木明子さんについて、書かれていたので、もうひとこと書きます。


 キムヨナ選手のフリーのプログラムに、3ループが入っていません。
 浅田真央さんは、3ルッツと3サルコウが入っていません。
 安藤美姫さんは、3フリップが入っていません。
 中野友加里さんも、
3ループが入っていません。

 現在の世界のトップ選手の中で、5種類の3回転ジャンプをフリーに
組み込んでいるのは、
ジョアニー・ロシェット選手と、カロリナ・コストナー選手ぐらいだそうです。

 そして、もうひとり、鈴木明子さんです。

 旧採点方式の時は、アクセル以外の5種類の
3回転ジャンプを6回もしくは、7回組み込むのが当たり前でした。
 しかし、新採点方式に変わってからは、その必要がなくなりました。
 得意なジャンプだけで、十分点数が取れるようになったからです。

 鈴木明子さんは、
2009年のグランプリファイナルで、6人の中でたったひとり、
7回の3回転ジャンプを成功させているのです。
(ほかの人は、回転不足とか取られています)
だから、技術点は、
63.58とトップなのです。
ただし、PCSは、52.88と4位なんですね。
総合で3位でした。


 2003年に発行されたスポーツ雑誌「ナンバー」に、
将来を嘱望されるジュニア選手として、
太田由希奈
安藤美姫
鈴木明子
浅田真央の
4人が一緒に写っている写真が載っています。
太田由希奈
安藤美姫
浅田真央と
次々と、みんな世界ジュニア選手権で優勝していく。
しかし、鈴木明子さんだけが取り残されました。

 遅れること5年。
2008年のNHK杯で2位になり、2009年のグランプリファイナルで3位になり、
やっと、みんなに追いついたのです。

 そして、2009年の全日本選手権。
 もし、中野友加里さんがフリーのプログラムに3ループが入っていたら、
中野友加里さんの勝ちだったというのです。


 ほかの選手が、新採点方式に合わせて、演技内容を変え、
練習法を変え、戦略を変えてきたのに対し、

鈴木明子さんは、病気で4年間グランプリシリーズに出ていなかった。
 そのため、旧採点方式時代の、
5種類の3回転ジャンプを跳ぶスタイルをきっちり保っていた。

 その、浦島太郎効果のバランスの取れたジャンプ構成が、結果的に
鈴木明子さんに勝利をもたらした、のだという。


 鈴木明子さんが、5種類の3回転ジャンプをきっちり跳ぶ、ということは知っていましたが、

こんなに、世界で、5種類の3回転ジャンプを
跳べない選手が多いとは知りませんでした。

 だから、5種類の3回転ジャンプをきっちり跳ぶ、鈴木明子さんは、
貴重な存在なのですね。