フィギュアスケートネタです。
バンクーバーオリンピックでの、キムヨナ選手の高すぎる得点。
その直後の世界選手権で、コケてるのに、
浅田真央さんより高かったキムヨナ選手のフリーの得点。
これらは、すべて出来栄え点(GOE)と
演技・構成点(PCS)
が関係しているのですね。
世界選手権でのフリーの得点は、
浅田真央129.50
キムヨナ130.49
となっています。
その差0.99ですが、
なぜこうなったのでしょう。
キムヨナ選手は、3サルコウと2アクセルで失敗しました。
それで、技術点の基礎点が、57.05と低くなっています。
しかし、GOEの合計は、
9.4点です。
一方、浅田真央さんは、3A+2Tが回転不足に取られ、基礎点が、
59.30で、GOEが7.72です。
キムヨナ
57.05+9.40=66.45
浅田真央
59.30+7.72=67.02
となり、浅田真央さんは、GOEは低いけれど、
技術点は0.57点、勝っています。
そして、PCSは、
キムヨナ65.04
浅田真央62.48
と浅田真央さんが2.56点負けています。
それで、
2.56-0.57=1.99
で、
キムヨナ選手の転倒の
-1.00を引いて、0.99の
差になったわけです。
だから、今回、キムヨナ選手がショートで失敗して、浅田真央さんとの差が7.78点あったため、
7.78-0.99=6.79
で、6.79点の差で、浅田真央さんが勝ったのです。
つまり、浅田真央さんの勝利は、ショートの差のおかげなのです。
もし、キムヨナ選手が、ショートがノーミスであったなら、
このようにフリーでミスがあっても、キムヨナ選手の勝ちだったわけです。
つまり、浅田真央さんとキムヨナ選手が、ふたりとも、ショート、フリーとも、
ノーミスだったら、必ず、キムヨナ選手が勝つということです。
浅田真央さんは、トリプルアクセルを跳んでいても、ほかのジャンプで、
基礎点の高いジャンプを入れていませんから、
合計の基礎点は、キムヨナ選手と、トントンなんですね。
だから、GOEとPCSでまさるキムヨナ選手が勝つのですね。
しかし、GOEとPCSの基準はあいまいです。
GOEの減点の基準は、はっきりしています。
ジャンプだけの基準を書くと、以下のようになります。
(ISUコミュニケーション第1557号参照)
●最終的なGOEが必ずマイナスとなるエラー
○SP:規定回転に1回転以上不足GOE-3
○SP:1つのジャンプのみからなるコンボGOE-3
○SP:ジャンプの前に要求されているステップ/動作がないGOE-3
○転倒GOE-3
○1ジャンプの開始または着氷が両足GOE-2
○1ジャンプの着氷でのステップ・アウトGOE-2
○1ジャンプで両手がタッチダウンGOE-2
○ジャンプ間に2つのスリー・ターン(ジャンプ・コンビネーション)
GOE-2
○F/Lzでの間違ったエッジ“e”での開始
GOE-2to-3
●最終的なGOEの+-は
制約されないエラー
○スピード、高さ、距離、空中姿勢が拙劣
GOE-1to-2
○回転不足GOE-1to-2
○SP:ステップ/動作から直ちにジャンプしない、ジャンプ前のステップ/動作が1つのみ
GOE-1to-2
○拙劣な踏み切り
GOE-1to-2
○ジャンプ間で流れ/リズムが無くなる(コンビネーション/シークエンス)GOE-1to-2
○つたない着氷(悪い姿勢/間違ったエッジ/ひっかき等)GOE-1to-2
○長い構えGOE-1to-2
○片手またはフリー・フットがタッチダウン
GOE-1
○F/Lzでの不明確なエッジ“!”での開始
GOE-1to-2
と、減点の基準ははっきりしています。
しかし、加点の基準ははっきりしません。
加点の基準は、以下に書く8つの基準のうち、2項目あれば+1、
4項目あれば+2、
6項目またはそれ以上あれば+3、
となっています。
○予想外の/独創的な/難しい入り
○明確ではっきりとしたステップ/フリー・スケーティング動作から直ちにジャンプに入る
○空中での姿勢変形/ディレイド回転のジャンプ○高さおよび距離が十分○(四肢を)十分伸ばしだ着氷姿勢/独創的な出方
○入りから出までの流れが十分(ジャンプ・コンビネーション/シークエンスを含む)
○開始から終了まで無駄な力が全くない
○音楽構造に要素が合っている
ディレイド回転のジャンプ=飛び上がってから回転を始める。
独創的な出方、というのは、ジョアニー・ロシェット選手が、
着氷のあとに、ポーズを付けてますよね。
しかし、減点のときは、こうなったら-何点とはっきりしているのに、
加点は、ジャッジの気分次第で、どうにでもなるわけです。
加点も、こんなあいまいな基準ではなくて、減点のように、
こうなったらプラス何点と、はっきりした基準を作ってほしいですね。
PCSもはっきりしません。
PCSの基準を以下に書きます。
(フィギュアスケート
07-08フラッシュバック参照)
(ペア、アイスダンスの分は省いています)
●スケート技術
○バランス、リズミカルな膝の曲げ伸ばし、足の置き方の正確さ
○流れ、楽々とした滑り○深いエッジやステップやターンの明確さ、確実さ
○パワー/エネルギーおよび加速
○多方向へのスケーティングの習熟
○片足での滑走の習熟
●技と技のつなぎ
○多様さ
○難しさ
○複雑さ
○質
●演技力
○肉体的、情緒的、知的かかわり
○身のこなし
○スタイルと個性
○動作の明確さ
○多様さと対照性
○投射
●振り付け
○目的(アイデア、コンセプト、ビジョン)
○比率(部分部分の重みの均衡)
○統一性(意図ある縫合)
○個人的、公的な空間利用
○パターンと表面利用
○フレージングフォーム(動作、部分が音楽のフレーズに調和して構成されていること)
○目的や動作やデザインの独創性
●音楽の解釈
○音楽に合った楽々とした動作(タイミング)
○音楽のスタイル、特徴、リズムの表現
○音楽のニュアンスを反映したフィネスの使用
よくわかりません。
PCSは、実績と年齢で決まってくるといわれます。
しかし、年齢が低ければPCSは低くなるとは書いていません。
だいたい、こんな細かいことを
10点満点の減点方式で採点することに無理があると思うのです。
点数は10点しかないのだから、ジャッジは、この細かい頃目を
10点の中で、採点しなくてはいけないのです。
だから、やっぱり、新採点方式は、まだまだ改良の余地があると思うのです。
バンクーバーオリンピックでの、キムヨナ選手の高すぎる得点。
その直後の世界選手権で、コケてるのに、
浅田真央さんより高かったキムヨナ選手のフリーの得点。
これらは、すべて出来栄え点(GOE)と
演技・構成点(PCS)
が関係しているのですね。
世界選手権でのフリーの得点は、
浅田真央129.50
キムヨナ130.49
となっています。
その差0.99ですが、
なぜこうなったのでしょう。
キムヨナ選手は、3サルコウと2アクセルで失敗しました。
それで、技術点の基礎点が、57.05と低くなっています。
しかし、GOEの合計は、
9.4点です。
一方、浅田真央さんは、3A+2Tが回転不足に取られ、基礎点が、
59.30で、GOEが7.72です。
キムヨナ
57.05+9.40=66.45
浅田真央
59.30+7.72=67.02
となり、浅田真央さんは、GOEは低いけれど、
技術点は0.57点、勝っています。
そして、PCSは、
キムヨナ65.04
浅田真央62.48
と浅田真央さんが2.56点負けています。
それで、
2.56-0.57=1.99
で、
キムヨナ選手の転倒の
-1.00を引いて、0.99の
差になったわけです。
だから、今回、キムヨナ選手がショートで失敗して、浅田真央さんとの差が7.78点あったため、
7.78-0.99=6.79
で、6.79点の差で、浅田真央さんが勝ったのです。
つまり、浅田真央さんの勝利は、ショートの差のおかげなのです。
もし、キムヨナ選手が、ショートがノーミスであったなら、
このようにフリーでミスがあっても、キムヨナ選手の勝ちだったわけです。
つまり、浅田真央さんとキムヨナ選手が、ふたりとも、ショート、フリーとも、
ノーミスだったら、必ず、キムヨナ選手が勝つということです。
浅田真央さんは、トリプルアクセルを跳んでいても、ほかのジャンプで、
基礎点の高いジャンプを入れていませんから、
合計の基礎点は、キムヨナ選手と、トントンなんですね。
だから、GOEとPCSでまさるキムヨナ選手が勝つのですね。
しかし、GOEとPCSの基準はあいまいです。
GOEの減点の基準は、はっきりしています。
ジャンプだけの基準を書くと、以下のようになります。
(ISUコミュニケーション第1557号参照)
●最終的なGOEが必ずマイナスとなるエラー
○SP:規定回転に1回転以上不足GOE-3
○SP:1つのジャンプのみからなるコンボGOE-3
○SP:ジャンプの前に要求されているステップ/動作がないGOE-3
○転倒GOE-3
○1ジャンプの開始または着氷が両足GOE-2
○1ジャンプの着氷でのステップ・アウトGOE-2
○1ジャンプで両手がタッチダウンGOE-2
○ジャンプ間に2つのスリー・ターン(ジャンプ・コンビネーション)
GOE-2
○F/Lzでの間違ったエッジ“e”での開始
GOE-2to-3
●最終的なGOEの+-は
制約されないエラー
○スピード、高さ、距離、空中姿勢が拙劣
GOE-1to-2
○回転不足GOE-1to-2
○SP:ステップ/動作から直ちにジャンプしない、ジャンプ前のステップ/動作が1つのみ
GOE-1to-2
○拙劣な踏み切り
GOE-1to-2
○ジャンプ間で流れ/リズムが無くなる(コンビネーション/シークエンス)GOE-1to-2
○つたない着氷(悪い姿勢/間違ったエッジ/ひっかき等)GOE-1to-2
○長い構えGOE-1to-2
○片手またはフリー・フットがタッチダウン
GOE-1
○F/Lzでの不明確なエッジ“!”での開始
GOE-1to-2
と、減点の基準ははっきりしています。
しかし、加点の基準ははっきりしません。
加点の基準は、以下に書く8つの基準のうち、2項目あれば+1、
4項目あれば+2、
6項目またはそれ以上あれば+3、
となっています。
○予想外の/独創的な/難しい入り
○明確ではっきりとしたステップ/フリー・スケーティング動作から直ちにジャンプに入る
○空中での姿勢変形/ディレイド回転のジャンプ○高さおよび距離が十分○(四肢を)十分伸ばしだ着氷姿勢/独創的な出方
○入りから出までの流れが十分(ジャンプ・コンビネーション/シークエンスを含む)
○開始から終了まで無駄な力が全くない
○音楽構造に要素が合っている
ディレイド回転のジャンプ=飛び上がってから回転を始める。
独創的な出方、というのは、ジョアニー・ロシェット選手が、
着氷のあとに、ポーズを付けてますよね。
しかし、減点のときは、こうなったら-何点とはっきりしているのに、
加点は、ジャッジの気分次第で、どうにでもなるわけです。
加点も、こんなあいまいな基準ではなくて、減点のように、
こうなったらプラス何点と、はっきりした基準を作ってほしいですね。
PCSもはっきりしません。
PCSの基準を以下に書きます。
(フィギュアスケート
07-08フラッシュバック参照)
(ペア、アイスダンスの分は省いています)
●スケート技術
○バランス、リズミカルな膝の曲げ伸ばし、足の置き方の正確さ
○流れ、楽々とした滑り○深いエッジやステップやターンの明確さ、確実さ
○パワー/エネルギーおよび加速
○多方向へのスケーティングの習熟
○片足での滑走の習熟
●技と技のつなぎ
○多様さ
○難しさ
○複雑さ
○質
●演技力
○肉体的、情緒的、知的かかわり
○身のこなし
○スタイルと個性
○動作の明確さ
○多様さと対照性
○投射
●振り付け
○目的(アイデア、コンセプト、ビジョン)
○比率(部分部分の重みの均衡)
○統一性(意図ある縫合)
○個人的、公的な空間利用
○パターンと表面利用
○フレージングフォーム(動作、部分が音楽のフレーズに調和して構成されていること)
○目的や動作やデザインの独創性
●音楽の解釈
○音楽に合った楽々とした動作(タイミング)
○音楽のスタイル、特徴、リズムの表現
○音楽のニュアンスを反映したフィネスの使用
よくわかりません。
PCSは、実績と年齢で決まってくるといわれます。
しかし、年齢が低ければPCSは低くなるとは書いていません。
だいたい、こんな細かいことを
10点満点の減点方式で採点することに無理があると思うのです。
点数は10点しかないのだから、ジャッジは、この細かい頃目を
10点の中で、採点しなくてはいけないのです。
だから、やっぱり、新採点方式は、まだまだ改良の余地があると思うのです。