私が、フィギュアスケートに興味を持つようになったのは、
細かい数字や記号が並ぶ新採点方式が面白いからです。
 きっかけは、浅田真央さんの年齢制限問題でしたが、
とにかく、細かいことが好きなのです。

 私は、オートバイでのツーリングも趣味ですが、
ツーリングに出かける時も、
ここの交差点を右に曲がる、あそこの交差点を左に曲がる、
あそこの到着予定時刻は何時何分、などと、パリダカラリーばりに、
細かいスケジュールを組み立てます。
 そういう、細かいスケジュールを組み立てるのが好きなのです。
 そして、そのスケジュール通りに走ると、満足感があるのですね。

 だから、細かい数字や記号が並ぶフィギュアスケートの新採点方式が、
数字マニアの私にとって非常に面白かったのです。
 言ってみれば、選手よりも、選手の演技の後に出てくる、得点に興味があったのです。

 しかし、フィギュアスケート関係の本をいろいろ読んでいるうちに、
フィギュアスケートの選手は、非常に大変な思いをして競技生活を送っているのだな、
ということが、だんだん分かってきたのです。

 浅田真央さんの年齢制限問題の不満をぶちまけた渡部絵美氏の
「愛するスケートに何が起こったのか?」や、
田村明子氏の「氷上の光と影 知られざるフィギュアスケート」
などの本を読むと、フィギュアスケートの裏側が、よくわかるようになったのです。
 女子選手の特集ムック本は、毎年発売されていますが、
一番最初に買ったのが、2005年10月に発売された、
「日本女子フィギュアスケートオフィシャル応援ブック2006」という本でした。
荒川静香
安藤美姫
村主章枝
浅田真央
恩田美栄
太田由希奈
中野友加里
浅田舞
澤田亜紀
北村明子
の10人が紹介されています。
(北村明子さん、最近、名前を聞きませんが、どうしちゃったんでしょうね)
 この中で、安藤美姫さんは、マスコミに追いかけられるのは、
もう嫌だ、と書かれています。

 そんな、フィギュアスケートの選手のようすや裏側を知るようになってから、
新採点方式の数字だけでは、フィギュアスケートを知ることが出来ない、ということが分かってきたのです。

 新採点方式が面白い、と言っても、演技する選手は、生身の人間だし、
面白いと言っていた、得点を出す審判も生身の人間です。

 機械的に(得点を出すのは、機械じゃなくて、人間だけれども)
出てくる得点が面白いと言っても、
その得点に、選手の人生がかかっているのです。

 そんな中で、不可解な採点というものは、実際、不可解な採点があったとしても、
数字マニアの私にとって、それは関係ないことでした。

 実際、不可解な採点があったとしても、それは、人間が採点する採点競技のフィギュアスケートだから、
仕方のないことだ、と思っていたのです。

 「ロビー活動」と言って、コーチやその国のスケート連盟の人たちが、
その試合の前に、「うちに、いい選手が出てきましたよ」と、
審判に売り込み活動をするそうですが、
新採点方式になっても、やっぱり、ロビー活動はあるそうです。

 それで、不可解な採点が、生まれるのかも知れません。

 生真面目で、外交下手の日本人は、ロビー活動が下手なのかも知れませんね。
 採点競技である以上、ロビー活動は宿命だそうです。

 ある雑誌に書いていたのですが、サムスン、
LG電子、ヒュンダイ自動車などの韓国の大手メーカーは、
財政難のISU(国際スケート連盟)にとって、大切なスポンサーだそうです。
 だから、韓国の選手は非常に大切だそうです。 韓国のメーカーは、今や世界のトップメーカーになっていますからね。

 ショートトラックをオリンピックの種目から外す話が出ているそうですが、
いっこうに具体化しないそうです。
 それは、ショートトラックのメダリストに、韓国の選手が多いからだそうです。
 韓国のメーカーは、大切なスポンサーですからね。

 フィギュアスケートは、盛り上がっているのは、日本だけだそうです。

 キムヨナ選手は、突然変異だったから、彼女が引退してしまえば、
韓国でのフィギュアスケート人気は終わりでしょうし。
 次のトップ選手が出てくるまで、日本の伊藤みどりさんの後みたいに、
10年待たなくてはいけないかもしれません。

 アメリカでは、ミシェル・クワン以来、カリスマ的な選手は出ていませんから、
アメリカでのフィギュアスケートの人気は、落ちているのです。

 アメリカでの公演が本来の姿なのに、日本に来て、
「スターズオンアイスジャパンツアー」などと、日本での公演を余儀なくされているのが、
アメリカでのフィギュアスケートの人気がなくなっている証拠です。

 数字だけを見てきた私にとって、フィギュアスケートの難しさが
今頃、ようやく分かってきたのです。

 純粋に、スポーツだと言っても、やっぱり、お金が絡んでいるのですね。