これは、私の妄想です。
こんなことを書いてはいけないのだけれど、
というのは、私の妄想と反対のことが実際に起きてしまうのです。
でも、どうしても、私の妄想が膨らんでしまって……。
(これは、あくまでも空想の物語です)
アナウンサー「女子ショートプログラム最終滑走は、浅田真央選手です。曲は仮面舞踏会」
アナ「最初は、トリプルアクセルからのコンビネーションですが……。
……決まった、トリプルアクセル成功です」
解説者「ちょっと、あやしいですね。もしかしたら、回転不足を取られるかもしれませんね」
アナ「そうですか」
解説「次のトリプルフリップは、あ~っ、シングルになってしまいました」
アナ「浅田真央選手は、いつも、ショートのフリップで失敗しています。
四大陸選手権の悪夢がよみがえるのか」
解説「ショートは、必ず3回転を跳ばなくてはいけないことになっていますので、
これは、大きな減点です」
アナ「浅田真央選手、演技が終わりましたが、笑顔はありません」
アナ「浅田真央選手、キスアンドクライでも、やっぱり、笑顔はありません。
得点が出ます。57.14、
あ~っと、7位です。
7位です。浅田真央選手、7位です。
浅田真央選手、今まで最終グループを一度も外したことはありませんでした」
解説「トリプルアクセル、回転不足を取られていますね」
アナ「あっ、浅田真央選手、得点が出た瞬間に、キスアンドクライから立ち去ってしまいました。
浅田真央選手、このオリンピック、フリーを第3グループで臨むことになりました」
アナ「浅田真央選手のコメントが入って来ました。
『今日の結果は、結果として受け入れるしがないので、
気持ちを切り換えて、フリーに臨みます。
私には、もう、失うものは何もないですから、
フリーは、一か八か挑戦するだけです』と。
一か八か挑戦とは、どうことでしょうか」
解説「もしかしたら」
アナ「もしかしたら?」
なか日。
アナ「浅田真央選手の情報が入って来ました。サルコウの練習を始めた、ということですが。これは、どういうことですか」
解説「フリーでは、3回転+3回転に挑戦してくるかもしれません。
そうすると、ジャンプの種類が足りなくなりますから、
サルコウの練習を始めたのでしょう」
フリー当日。第3グループの演技が始まる。
アナ「第3グループ、浅田真央選手は、なんと、第1滑走です。曲はラフマリノフの『鐘』です」
アナ「最初は、トリプルアクセルですが」
解説「決まった。これは間違いないでしょう。着氷の後の流れもいいです」
アナ「そして、もう一回トリプルアクセルですが」
解説「あっ、ダブルアクセルです。しかも、コンビネーションを付けずに単独です」
アナ「どうしたんでしょう。確実にトリプルアクセル、1回だけ、ということですか」
解説「いや、この位置で、確実性をとる必要はないんですけどね。……もしかしたら」
アナ「もしかしたら?」
解説「次は、トリプルフリップ、トリプルループ、3回転+3回転、成功です」
アナ「やっぱり、攻めてきましたね」
解説「そうですね」
解説「そして、ダブルアクセル」
アナ「ここで、ダブルアクセルということは」
解説「もしかしたら」
アナ「もしかしたら?」
解説「そして、トリプルフリップ、ダブルループ、ダブルループ」
アナ「3連続です」
解説「そして、ここで、トリプルサルコウです。成功しました」
アナ「そして、最後はダブルアクセルです」
解説「あっ、いや、助走が違います。ここで、トリプルアクセル跳ぶんですか。
そんな、無茶です。無謀です。
やめた方がいいです。点数を稼ぐ気持ちは分かりますが」
アナ「もし、成功すれば、アルベールビルの伊藤みどりの再現です」
解説「トリプルアクセル、トリプルトゥループ、3回転半+3回転、成功です」
アナ「女子で史上初、3回転半+3回転、成功です」
解説「いや~、まいった。演技の後半でトリプルアクセルを跳ぶとは。
しかも、3回転のコンビネーションで」
アナ「まだ、ストレートラインステップがあります。大丈夫でしょうか」
解説「体力が残っていれば、いいんですが」
アナ「そして、ストレートラインステップ。最後のスピン。
ああ、もう、お客さんが立ち上がっています。
スタンディングオベーションです。
うわぁ~、大歓声です。そして、両手を上げて、フィニッシュ。
ああ~っ、浅田真央選手の目に涙です。涙の笑顔です。やった~。ガッツポーズです」
アナ「キスアンドクライでの浅田真央選手、どれくらいの得点が出るのでしょう。
得点が出ます。技術点は、81.22。なんと、女子で初めて、技術点で80点を超えました。
演技・構成点は、
67.20、全部8点台です。
そうすると、フリーの得点は、148.42、これは高い。
ショートの57.14を足して、205.56。浅田真央選手、
オリンピックで初めて女子で200点を超えました。
浅田真央選手、キスアンドクライで、両手を高く上げて、ガッツポーズです」
解説「まだ、11人の演技が残っていますからね。これは、残りの選手にプレッシャーです」
アナ「最終グループ、キム・ヨナ選手の演技が始まりました。
キム・ヨナ選手には、浅田真央選手の得点の情報は入っているはずです」
解説「最初の3回転+3回転ですが。トリプルルッツ、
トリプル……、あっ、ダブルになってしまいました。
しかも、ダブルトゥループ、ステップアウトです」
アナ「やはり、プレッシャーか」
解説「次の、トリプルフリップ、あ~っ、シングルになってしまいました」
アナ「キム・ヨナ選手、フリップで失敗です」
アナ「演技が終わりました。キム・ヨナ選手に、どんな得点が出るのでしょう。
得点が出ます。
188.86、ミスがあっても、さすがキム・ヨナ選手、高い得点を出して来ます。
しかし、浅田真央選手を超えることはできず、2位です」
アナ「最終滑走は、ショート6位の鈴木明子選手です。曲は『ウエストサイドストーリー』」
解説「最初のトリプルフリップ、ダブルトゥループ、ダブルループ」
アナ「3連続、成功です」
解説「次のダブルアクセル、トリプルトゥループ」
アナ「これも、成功です」
解説「トリプルループ」
解説「トリプルフリップ」
解説「トリプルルッツ」
解説「トリプルループ、ダブルトゥループのコンビネーション」
解説「トリプルサルコウ」
アナ「ジャンプは、すべて成功。ここまで完璧です」
アナ「そして、鈴木明子選手のストレートラインステップ。この観客を引きつける魅力」
アナ「最後のスピン。ああ、もう、お客さんが立ち上がっています。
スタンディングオベーションです」
アナ「そして、フィニッシュ。もう、大歓声です。
鈴木明子選手、手で顔を覆いました。ああ、そして、感激の涙」
アナ「キスアンドクライでの笑顔の鈴木明子選手。どんな得点が出るのでしょう」
解説「完璧な演技でしたからね」
アナ「得点が出ます。
技術点、65.20、演技・構成点、56.64、
フリーの得点は、
121.84、ショートの得点を足して、180.72、
3位です。鈴木明子選手、3位です。
これは、うれしい3位です。
ああ、鈴木明子選手、
号泣。長久保コーチの肩に泣き崩れました。
苦しかった6年間。
2005年の全日本選手権は、12位でした。
その時のトリノオリンピックの代表の選手たちは、別世界の人たちに見えたと言っていました。
4年後、自分は、オリンピックの代表として、3位に立つことができました。
口に出せば、必ず思いはかなう。
一度は、スケートをあきらめかけたけれど、あきらめずに、スケートを続けたから、
今、表彰台に立つことが出来る。
あきらめないことが大切。
夢と希望を与えてくれた鈴木明子選手。
そして、ショート7位から、奇跡の大逆転で浅田真央選手、優勝です。
日本人選手、オリンピックで初めて、二人表彰台に上がります」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
これは、あくまでも、フィクションです。
実際は、もっと、高い得点での戦いになるかも知れません。
こんなことを書いてはいけないのだけれど、
というのは、私の妄想と反対のことが実際に起きてしまうのです。
でも、どうしても、私の妄想が膨らんでしまって……。
(これは、あくまでも空想の物語です)
アナウンサー「女子ショートプログラム最終滑走は、浅田真央選手です。曲は仮面舞踏会」
アナ「最初は、トリプルアクセルからのコンビネーションですが……。
……決まった、トリプルアクセル成功です」
解説者「ちょっと、あやしいですね。もしかしたら、回転不足を取られるかもしれませんね」
アナ「そうですか」
解説「次のトリプルフリップは、あ~っ、シングルになってしまいました」
アナ「浅田真央選手は、いつも、ショートのフリップで失敗しています。
四大陸選手権の悪夢がよみがえるのか」
解説「ショートは、必ず3回転を跳ばなくてはいけないことになっていますので、
これは、大きな減点です」
アナ「浅田真央選手、演技が終わりましたが、笑顔はありません」
アナ「浅田真央選手、キスアンドクライでも、やっぱり、笑顔はありません。
得点が出ます。57.14、
あ~っと、7位です。
7位です。浅田真央選手、7位です。
浅田真央選手、今まで最終グループを一度も外したことはありませんでした」
解説「トリプルアクセル、回転不足を取られていますね」
アナ「あっ、浅田真央選手、得点が出た瞬間に、キスアンドクライから立ち去ってしまいました。
浅田真央選手、このオリンピック、フリーを第3グループで臨むことになりました」
アナ「浅田真央選手のコメントが入って来ました。
『今日の結果は、結果として受け入れるしがないので、
気持ちを切り換えて、フリーに臨みます。
私には、もう、失うものは何もないですから、
フリーは、一か八か挑戦するだけです』と。
一か八か挑戦とは、どうことでしょうか」
解説「もしかしたら」
アナ「もしかしたら?」
なか日。
アナ「浅田真央選手の情報が入って来ました。サルコウの練習を始めた、ということですが。これは、どういうことですか」
解説「フリーでは、3回転+3回転に挑戦してくるかもしれません。
そうすると、ジャンプの種類が足りなくなりますから、
サルコウの練習を始めたのでしょう」
フリー当日。第3グループの演技が始まる。
アナ「第3グループ、浅田真央選手は、なんと、第1滑走です。曲はラフマリノフの『鐘』です」
アナ「最初は、トリプルアクセルですが」
解説「決まった。これは間違いないでしょう。着氷の後の流れもいいです」
アナ「そして、もう一回トリプルアクセルですが」
解説「あっ、ダブルアクセルです。しかも、コンビネーションを付けずに単独です」
アナ「どうしたんでしょう。確実にトリプルアクセル、1回だけ、ということですか」
解説「いや、この位置で、確実性をとる必要はないんですけどね。……もしかしたら」
アナ「もしかしたら?」
解説「次は、トリプルフリップ、トリプルループ、3回転+3回転、成功です」
アナ「やっぱり、攻めてきましたね」
解説「そうですね」
解説「そして、ダブルアクセル」
アナ「ここで、ダブルアクセルということは」
解説「もしかしたら」
アナ「もしかしたら?」
解説「そして、トリプルフリップ、ダブルループ、ダブルループ」
アナ「3連続です」
解説「そして、ここで、トリプルサルコウです。成功しました」
アナ「そして、最後はダブルアクセルです」
解説「あっ、いや、助走が違います。ここで、トリプルアクセル跳ぶんですか。
そんな、無茶です。無謀です。
やめた方がいいです。点数を稼ぐ気持ちは分かりますが」
アナ「もし、成功すれば、アルベールビルの伊藤みどりの再現です」
解説「トリプルアクセル、トリプルトゥループ、3回転半+3回転、成功です」
アナ「女子で史上初、3回転半+3回転、成功です」
解説「いや~、まいった。演技の後半でトリプルアクセルを跳ぶとは。
しかも、3回転のコンビネーションで」
アナ「まだ、ストレートラインステップがあります。大丈夫でしょうか」
解説「体力が残っていれば、いいんですが」
アナ「そして、ストレートラインステップ。最後のスピン。
ああ、もう、お客さんが立ち上がっています。
スタンディングオベーションです。
うわぁ~、大歓声です。そして、両手を上げて、フィニッシュ。
ああ~っ、浅田真央選手の目に涙です。涙の笑顔です。やった~。ガッツポーズです」
アナ「キスアンドクライでの浅田真央選手、どれくらいの得点が出るのでしょう。
得点が出ます。技術点は、81.22。なんと、女子で初めて、技術点で80点を超えました。
演技・構成点は、
67.20、全部8点台です。
そうすると、フリーの得点は、148.42、これは高い。
ショートの57.14を足して、205.56。浅田真央選手、
オリンピックで初めて女子で200点を超えました。
浅田真央選手、キスアンドクライで、両手を高く上げて、ガッツポーズです」
解説「まだ、11人の演技が残っていますからね。これは、残りの選手にプレッシャーです」
アナ「最終グループ、キム・ヨナ選手の演技が始まりました。
キム・ヨナ選手には、浅田真央選手の得点の情報は入っているはずです」
解説「最初の3回転+3回転ですが。トリプルルッツ、
トリプル……、あっ、ダブルになってしまいました。
しかも、ダブルトゥループ、ステップアウトです」
アナ「やはり、プレッシャーか」
解説「次の、トリプルフリップ、あ~っ、シングルになってしまいました」
アナ「キム・ヨナ選手、フリップで失敗です」
アナ「演技が終わりました。キム・ヨナ選手に、どんな得点が出るのでしょう。
得点が出ます。
188.86、ミスがあっても、さすがキム・ヨナ選手、高い得点を出して来ます。
しかし、浅田真央選手を超えることはできず、2位です」
アナ「最終滑走は、ショート6位の鈴木明子選手です。曲は『ウエストサイドストーリー』」
解説「最初のトリプルフリップ、ダブルトゥループ、ダブルループ」
アナ「3連続、成功です」
解説「次のダブルアクセル、トリプルトゥループ」
アナ「これも、成功です」
解説「トリプルループ」
解説「トリプルフリップ」
解説「トリプルルッツ」
解説「トリプルループ、ダブルトゥループのコンビネーション」
解説「トリプルサルコウ」
アナ「ジャンプは、すべて成功。ここまで完璧です」
アナ「そして、鈴木明子選手のストレートラインステップ。この観客を引きつける魅力」
アナ「最後のスピン。ああ、もう、お客さんが立ち上がっています。
スタンディングオベーションです」
アナ「そして、フィニッシュ。もう、大歓声です。
鈴木明子選手、手で顔を覆いました。ああ、そして、感激の涙」
アナ「キスアンドクライでの笑顔の鈴木明子選手。どんな得点が出るのでしょう」
解説「完璧な演技でしたからね」
アナ「得点が出ます。
技術点、65.20、演技・構成点、56.64、
フリーの得点は、
121.84、ショートの得点を足して、180.72、
3位です。鈴木明子選手、3位です。
これは、うれしい3位です。
ああ、鈴木明子選手、
号泣。長久保コーチの肩に泣き崩れました。
苦しかった6年間。
2005年の全日本選手権は、12位でした。
その時のトリノオリンピックの代表の選手たちは、別世界の人たちに見えたと言っていました。
4年後、自分は、オリンピックの代表として、3位に立つことができました。
口に出せば、必ず思いはかなう。
一度は、スケートをあきらめかけたけれど、あきらめずに、スケートを続けたから、
今、表彰台に立つことが出来る。
あきらめないことが大切。
夢と希望を与えてくれた鈴木明子選手。
そして、ショート7位から、奇跡の大逆転で浅田真央選手、優勝です。
日本人選手、オリンピックで初めて、二人表彰台に上がります」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
これは、あくまでも、フィクションです。
実際は、もっと、高い得点での戦いになるかも知れません。