1月30日にNHK BShiで

「ハイビジョン特集 バンクーバー五輪 ミラクルボディ 金メダルを決める一瞬」
というタイトルで、

ブライアン・ジュベール選手が、なぜ4回転が跳べるのか、検証する番組が放送されました。

 フィギュアスケートのジャンプで、一番体力を使うのが、回転を止める時だと言われます。
この番組でも、映像が流れましたが、4回転を失敗して転倒するのは、
回転を止められないからだと言われます。
3回転でも、着氷の後のオーバーターンというのがありますが、
これも、回転が止められない結果だと言われます。

 ブライアン・ジュベール選手の4回転の着氷を見ていると、
多少、体勢が崩れても転倒することなく、
エッジを踏ん張って体勢を立て直して着氷します。
これは、相当な筋力と体力が必要なはずです。

 飛び上がって空中で回転すると、遠心力に振られて、腰が曲がってしまいます。
しかし、ブライアン・ジュベール選手の空中姿勢は、真っ直ぐです。
その、遠心力に負けることなく、空中で真っ直ぐな姿勢を保つために、
彼は、背筋を鍛えているのです。

 彼は、胸囲97㎝、太ももの太さ60㎝、
ミケランジェロ像のような、ハガネの肉体をしています。
体操選手と、同じ体型をしています。
筋肉もりもりで、ほぼ脂肪は付いていません。
背中に、ものすごい筋肉が付いています。
4回転を跳ぶためには、それだけの体が必要なのでしょう。

 4回転を成功させるためには、
遠心力に打ち勝つ背筋と、転倒しないために回転を止める筋力が必要なのです。

 4回転を跳ぶだけなら、誰でも出来ます。
しかし、4回転を成功させるためには、回転を止めなくてはいけないのです。
それが、なかなか出来ないのですね。

 ブライアン・ジュベール選手の4回転の滞空時間は、0.7秒です。
1回転0.13秒
2回転0.35秒
3回転0.55秒
4回転0.70秒
と、それぞれの回転の到達時間です。
そして、飛び出す角度は42.5°です。
この角度が、一番遠くへ飛べる角度だそうです。太もも60㎝は、高く飛び上がるために必要な筋力の結果です。

 また、選手に無責任な観客としての勝手なことを言いますが。(これを妄想と言います)

浅田真央さんの3回転半の滞空時間は、0.45秒です。
ということは、ブライアン・ジュベール選手よりも、回転速度が速いことになります。
単純に数字を足せば、
0.52秒で4回転を回ることになります。
 問題は、きちんと回転が止められるかどうかですが。

 前向きに踏み切るアクセルジャンプは、
ほかのジャンプと違いますから、単純比較は出来ません。
やっぱり4回転は、難しいのでしょう。

 しかし、ブライアン・ジュベール選手には、尊敬します。
4回転にこだわり続けていますからね。
 彼は言います。
「フィギュアスケートの未来は、4回転にかかっている」と。

 2年連続で、4回転の跳ばなかった選手が、世界選手権で優勝しています。
減点を恐れて、4回転を跳ばなくなっているのです。
 しかし、ブライアン・ジュベール選手は、4回転を跳び続けます。
 新採点方式への挑戦でしょうね。