田舎のねずみと街のねずみ | It's a small WORLD!

田舎のねずみと街のねずみ


現在一つ屋根の下、4人で生活しています。
この4人の組み合わせ、全く噛み合わないところもあれば、
意外な共通点もあり、即席家族みたいな感じで楽しくやってます。


その家族の長であるR。
結構な年齢なのに紛争・災害地を渡り歩く実践者。
仕事となると厳しい人だけれど、ちゃんとやるべき事をこなす人に対しては信用するし、
新参者にはケアを怠らないし、一緒に仕事のしやすい上司なんだろうと思う。

そんなRだけれど、仕事が終わるといいおじーちゃん(失礼!でも60歳近いはず)

得意料理はごった煮。
週末の朝は必ず味噌汁もどきを作って迎えてくれます。
味噌は薄いけれど、にんじん、キャベツ、玉ねぎ、にんにく(?!)、ツナ、胡椒、時にチリ
まで入っていて栄養は満点のはず。


イギリスのScotland出身の彼は、根っからのcountry manです。
彼の好きな話の1つが「田舎のねずみと街のねずみ(country mouse and city mouse)」
「俺は田舎ねずみだ」といつも誇らしげに話す姿は、なんだか可愛らしい。

Scotlandとウィスキーとhaggisをこよなく愛し、向かいの部屋からはいつもカントリーが流れている。

その度に私は部屋の扉を空け盗聴(?)しています。
イギリスの田舎町Yorkで学生生活を送ってきて、私もcountry mouseだと思ってきた。

ゆったりとした時間の流れや田舎の空間が落ち着く。逆にロンドンとか都市に出ると妙に疲れてしまったり。


さて、RはArmy出身。ベトナム戦争で活躍した年代。
この年代で人道・開発支援に関わっている人たちは、Army出身者が結構多いです。
これまで中南米、東アフリカ、バルカン地域、アフガニスタン、アチェ等々で活躍してきた。
つまり、家族とは長い間別居生活か。すごいなと思う。イギリスの家族も、R本人も。
早ければ3ヶ月に1度、そうでなければ6ヶ月に1度くらいしか家族に会いに行けない環境で
こんなにも長い期間働いてきているんだもの。

どうやってstress managementをしてきているんだろう?

私も、彼のように色々な環境に自分を置きたい。私はぬるま湯に浸かるより、
冷水と熱湯を交互に浴びている方が性にあっている気がする(おかしな例えだけれど)。
でも、自分の家族を持った時、果たして同じことができるだろうか。
もちろん母親か父親かによって選択肢の幅は異なるだろうけれど、私は子供の成長はそばで見守りたい。

別の同居人でタジク人のMは1児の母でもある。
夫はロンドンで博士課程を、本人はアフリカ勤務。2歳の娘の世話はお姑さんがしているとのこと。
とはいえ、毎日Mは愛娘と旦那さんの話を欠かさない。相当寂しい模様。
私はそんなことはできないなと思った。


さて、「田舎のねずみと街のねずみ」
改めてストーリーについて調べてみた。


「危険な目にあいながら贅沢な生活をするよりも、貧しくても正しくのんびりと暮らしていく方
がずっと幸福であると教える寓話である」(Amazon.co.jpより)


あれ?何かおかしい。
贅沢な生活は別としても、のんびりと田舎で暮らすよりも、

危険・苛酷な環境で仕事をすることを選んでいるのでは?

Rは田舎のねずみだと自分に言い聞かせながらも、街のねずみをしての生活を選んでる。

もしかしたら、人には「田舎のねずみと街のねずみ」の両側面があるのかもしれない。


あなたは田舎と街どっちの生活を選んでいますか?


Country mouse and city mouse