(2023年11月)

両津港からレンタカーを予約しておいたのですが、予約時間の夕方まで時間があるので、レンタサイクルで両津港のすぐそばにある加茂湖一周へと出発します。

ママチャリ風ですが電動なので快適です。

 

両津港近辺は佐渡の玄関口とあって街が形成されていますが、ところどころで廃業した旅館やホテルが見られ、在りし日からは観光などの宿泊の需要が減少しているのかもしれません。

湖岸に沿って進んでいくと、次第に民家も見られなくなり、農作地の広がるのどかな景色へと移り変わってきます。


そして、湖上には牡蠣の養殖がよく見られます。


カキ小屋がいくつも現れ、休日とあってか作業をしている人の姿はありませんが、小屋の近くにはうず高く積まれた牡蠣の貝殻が確認できます。


(湖を背に建つ樹崎神社で小休止)

 

サイクリングコースが湖岸を離れ、森の中を進んでいくと、突然に博物館が現れます。

立派な建物ですが、広大な駐車スペースには車が1台しか停まっておらず、お休みかなと思って建物に近づいてみると、開館はしている様子。


サクッと見て出発しようと軽い気持ちで入館すると、案の定というべきか、他の見学者は誰もおらず、貸切状態で展示を見て回ります。

 

「両津郷土博物館」の展示はとても充実していて、佐渡の歴史、民俗、文化、自然などを網羅的に知ることができて、大変勉強になりました。

これだけ充実した施設なのに、結局、他の見学者が誰も来ないというのは、もったいない限りです。

もっとPRして然るべきでしょう。

(直径3mの味噌桶)


ちなみにここは佐渡全体の博物館ではなく、佐渡市として合併される前の両津市の博物館として建てられたものだそうです。

そのため、他の地域にも同様の史料館があるそう。

そう考えると、佐渡市がいくつもの史料館を所有するのは、維持費が分散してしまって大変そうですが、大丈夫でしょうか…。

行政が統一されたいま、いずれ史料館も統一される時期が来るのかもしれません。

 

博物館を出る頃には、レンタカーの時間も気になる時間となっており、湖を横目にどんどん自転車を漕いで1周を目指します。


途中、頭上を白い鳥が飛んで行ったのでトキかなぁと思いましたが、遠目ではっきりとは確認できませんでした。

たぶんトキということにしておきます。

 

さて、先ほどの博物館で知ったのですが、以前はトキが日本各地でよく見られたそうなのです。

しかし、作物を荒らす「害鳥」として駆除されていくなかで数を減らし、とうとう日本からは絶滅してしまったとのこと。

絶滅したら今度は保護して大事にしていこうというのですから…我々人間の身勝手さに複雑な気持ちになります。