イメージ 2
 
 上の写真で上部に写っている山は北アルプス、左側から穂高岳、常念岳、横通岳、槍ヶ岳です。しかし手前に広がっている町、一見アルプスの懐に抱かれて素敵に見えるのはどこでしょうか。実は上田の町なのです。上田の市街からはアルプスを見ることはできません。しかし、上田の北東に位置する烏帽子岳の中腹、岩清水(標高850m)という集落からは冬になるとよく眺められます。まだフイルムカメラを始めたばかりのころ、天気をみて暗いうちに家を飛び出し撮りに行きました。月がアルプスに沈むのと朝陽が真っ白な北アルプスの頂きを紅く染める瞬間、寒さに震えながら眺め感動したものです。
   写真下部に林のように写っているのが上田城址公園、その上を横切っているラインが千曲川です。この写真は望遠レンズで撮っているので肉眼ではアルプスがこんなに近くに見られるわけではありません。上田の街がアルプスの麓のように見えるのは望遠レンズによる錯覚ですね。望遠を使うときはつい対象物だけを捉えがちですが、このように手前の景色を入れこむと面白い写真になることがあります。
 下はそこからのパノラマ写真、フイルムからキャナーで読みこみ張り合わせてものです。まだ写真を始めたばかりのころつなぎ目が判ってしまいます。しかし、上田からこんなに明瞭に北アルプスを眺められるのはめったにないこと、貴重な瞬間だったのだなと思います。クリックすると大きく見られます。
 
イメージ 1
 
雪嶺の紅く染まりて月入りぬ    とっこ 
                  雪嶺の紅は槍の穂先から