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       たてよこに富士伸びてゐる夏野かな     桂信子
 
 富士山の美しさの一つに頂上から裾野につながるなだらかな曲線があります。できたら飛行機にでも乗って富士山のななめ上から眺めて見たいのものです。しかしそれは叶わぬ夢、せいぜい富士山との間に山が存在しない高い山に登って見てみたいものです。写真は箱根の外輪山一つである金時山(1213m)から撮ったもの。左側に写っている山は愛鷹山(あしたかやま)、富士山側の高いピークが越前岳(1504m)です。そこからも展望がよさそうですね。手前の左につながる稜線は乙女峠につながる箱根外輪山、富士山の右奥の白い山は南アルプスです。
 桂信子さんの句ですが、大きい情景ですね。もちろん信子さんは高い所から富士山を見たことはないでしょう。しかし、まるで高い所にいるかのごとくこの句を詠んだ。俳句はこのようなに自分をどこに置いて詠むか、大切なのだなと思いました。