プーリーム「さて、フジロック2016について、ふたたび語り合いたいと思うんだけど、どうかな、今年は?まだ、洋楽しか発表していない、という、現段階の公式発表。これは、良き伝統にしたがっていて、歓迎すべき姿勢に立ち帰ったと言える。で、まず、予想通り、レッド・ホット・チリ・ペッパーズだね」
さよちゃん大先輩「そうねえ……自分は、今年はレディオヘッドが見たいんで、サマソニに行きます。まず、それは言っておきます」
プ「いきなり、フジロックに背を向けた発言……」
さ「サマソニには、スウェードも出るしね。しかし、こっちは、クーラ・シェイカーが出るんだよね、同じ頃のものとしては」
プ「いやあ、クーラ・シェイカーってのは、それほどまでの存在かねえ」
さ「スウェードほどの爆発力はなかったんだけど、まあ、挙げてみたんです、一応。サマソニのレディオヘッドと対抗できるものとしては、シガー・ロスが挙げられるよね、それに、ベックも似た系統だ。ただ、ベックについては、ライブの評判が良くない。そこは、どうなんでしょうか……見たことがないけど」
プ「スタミナがあるのか、ってのが気になるけど、ベック」
さ「ちっこいから?」
プ「そう」
さ「でも、プリンスだって、ちっこいよ」
プ「そっか。クーラ・シェイカーのボーカルについては、思い入れがあるんでしょ?」
さ「伝統的なロックの二枚目。ただ、それだけじゃ、足りないから、物議をかもそうとして、失敗した。ロックってのは、昔から炎上商法じゃない?でも、その方向がまずかった」
プ「見たい気持ちはあるんだ?」
さ「どっちでもいいかなあ」
プ「今さら、ってことか……では、次に、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、ベック、シガー・ロスという3組のヘッドライナーの妥当性。シガー・ロスは弱い気がするけど、それは僕の意見かな」
さ「ベックが弱いっていうのが有力な説じゃない?シガー・ロスは実力で聴かせるでしょ?まだ見たことないけどね。これまで、なんとなく見ないで、過ぎてしまった」
プ「へえ、じゃあ、悪くないヘッドライナーが揃った、と」
さ「うん、悪くないんじゃないかな」
プ「去年が、もうヒドくて、行かなかったくらいだから」
さ「いや去年だって、ヘッドライナーは妥当だった」
プ「ミューズ、フーファイターズ、ノエル・ギャラガー、たしかに現在形というか、現役バリバリの3組だったね」
さ「ベテランなんだけど」
プ「他を埋めるアーティストの物足りなさが、あった、と」
さ「そうね。今年は、どうかな~」
プ「去年よりはマシだと思うけど。ディスクロージャー、バトルズ、コートニー・バーネットあたり、良いモノを押さえてる気がする」
さ「う~ん、そうでもないんだよな。もう一声欲しいとこだな。プーリームは、レジェンドが欲しいんでしょ?」
プ「そうね、70~80年代に活躍期があったヒトが、見たい」
さ「ザ・フーとかでしょ?」
プ「シンプル・マインズ」
さ「裏U2だよね」
プ「はははは、そう、『裏U2』という表現は当たっているな。根強いファンはいると思うんだけど、日本にも。ただ、シンプル・マインズは単独ツアー中心みたいだから、来ない」
さ「ワタシ的には、チープトリックとかが、そういうモノに当たるかな」
プ「あっ、そうか」
さ「子どもの頃よく聴いたもの。最近、サマソニで見ることができた。あと、ジャクソン・ブラウンとか、動きがありそうだけど、どうかな。ほかには、トム・ペティなんかが見たい、ブルース・スプリングスティーンは無理だろうから」
プ「ブルースは無い、っていう確信があるんだ?」
さ「そりゃあ、毎年希望しているけど、あまりにも大物だし。日本では、そこまで人気が無い。あと、ニール・ヤングのような大御所には、ぜひ、また来て欲しいよね。ポール・ウェラーも、常に希望しているけど、最近は出ない感じになってきた」
プ「出し惜しみ商法ってこと?」
さ「自分にはそんなにファンはいない、ってことを自覚したんじゃない?と言うとヘンか。むしろ、限られたファンを大事にするってこと、それには、フェスよりも、単独公演になるよね、きちんとしたセットで、たっぷりと。実際、名人芸を見たいよねえ、となるとジェイク・バグかな。そういうものの後継者として」
プ「ストライプス、消えたなあ」
さ「『名人芸』の意味が違うよ!!子ども喉自慢的なものだよ、あれは」
プ「はははは」
さ「もしコーラルが出るなら見たいかな、ブロック・パーティとか、フォールズとかだって、もし、出るなら、当然見たいよね」
プ「うん、新作、出たばかりだから、来てもいいのに。どうして追加発表されないんだろう?」
さ「あと、プーリームとしては、ヒップ・ホップも来て欲しいんでしょ?」
プ「そう。ケンドリック・ラマーは、もう呼べないのかな?すごい新作も出たし、来ていい頃だろうのに」
さ「前回は、DJセットだったよね。次は、大掛かりなモノにならざるを得ないでしょう。どうなんだろう」
プ「うん、待遇が難しい」
さ「ケンドリック・ラマーは、今度は、ヘッドライナーでしょう。でも、呼びづらそうね。カニエ・ウェストのキャンセルがあったしね」
プ「うん。他には、まあ、エミネムや、パブリック・エネミーあたりは、見たいけど……」
さ「サマソニのほうだね。そもそも、エミネムなんて、ツアーしてるのかな?」
プ「どうかなあ、もう歳だから、あまりツアーしないか?ロラ・パルーザには出るみたい、ブラジル、アルゼンチン、チリ、と」
さ「へえ。ところで、最近はエレクトロニカが、世間では大きくなっていて、ヘッドライナーにまでなってたりするでしょ。でも私たちは、そういうのは希望してないものね。これは古い考えなんだろうけど」
プ「フェスが、野外ディスコ的なものになってる。歌詞を聞かないってことかな。また、レイヴってのが流行って以降は、それが拡大してきて、ロック・フェスまで侵食してきたんだよな。キチンと分ければいいのに。混ざってるのが困る」
さ「単に、見に行かなければ済むんだけどね」
プ「フジロック2016の、他のラインナップはどうでしょう?」
さ「よくわからないのが多い」
プ「たしかに、フジロックの、ポスターには、ずらりとアルファベットが並んでいるけど、よく見ると知らないのが多いし、小さく書かれるべきものが、同格扱いで、大文字で並んでるね」
さ「やっとアルバム1枚出した程度のが、でしょ。去年もそうだったんだよね」
プ「ロイヤル・ブラッドとか」
さ「FKA twigs(ツイグス)、その2つが、扱いが大きかった。でも、ほかが、ヘンな日本人だらけだったから、しょうがないんだよ。改めてラインナップを見直してもヒドい。そんな中、相対的に洋楽のなかの良いモノとして、持ち上げられた。今年も、ヘンな日本人が追加されて終わるんでしょう。それが、まとめ、かな」
プ「哀しくそれが、まとめのお言葉、になるんでしょうか?」
さ「でも、レッチリの日だけは行こうかな、アンソニーの裸が見たいから。きっと、世の女性ファンが口々に、そう言っているよ」
プ「新作のデキは関係ない?」
さ「だって、以前より、良い物ができるとは、誰も思っていないでしょ」
プ「じゃあ昔のモノを聴きに行くってことだ」
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さ「だいたい、今のロックの旬のモノって何だろう?どういうのがあるのかな?」
プ「最近は、ポップすぎたり、エレクトロの多用で、ロックが薄まっている。マルーン5とか、イマジン・ドラゴンズが、その悪しき代表だよね」
さ「完璧に仕上げられたお笑いバンド」
プ「はははは。完璧という点は、そのとおりだ。ザ・1975もそれに近い、すごく滑稽なモノだ」
さ「あれは、完璧じゃないよ、穴だらけだよ、あれは。でも、そこにまだ期待できる余地があるけどね」
プ「最近の旬というと、アラバマ・シェイクス、テイム・インパラあたりかな。人気という点では。でも、新しいとは言い切れないサウンド……」
さ「古いものの蒸し返しなんだよね、でも、若いヒトは、新しいものとして喜んで聴くのかな?」
プ「難しい問題だなあ」
さ「今後の課題ってことで……」
プ「でも今、ロックで聴くべきものとしては、TV・オン・ザ・レイディオがあるんだよ」
さ「そうね。でも、キャンセルに懲りて、2度と日本の地を踏みたくないと思ってるかも」
プ「はははは」
さ「だって、あんなもの、大勢が支持するわけが無い。どうして単独でやろうとしちゃったのかな……」
プ「残念です」
さ「あれこそ、フェスで来日すべきものだよね」
プ「そう、ディアハンターもね」
さ「去年のドタキャンがあった」
プ「もう見られないのかな、この現代の2大重要ロック・バンドは。ああいうサウンドが、レディオヘッドの進化形なのにね」
さ「いいことだよ、みんながレディオヘッドを模倣しただけで終わろうとしていたんだから。それより先に進むバンドがあるってことは」
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