ボルベール<帰郷>(06・スペイン) | no movie no life

no movie no life

・・・映画を見て思ったことをツラツラと。ネタバレです。

かなり昔に書いたのも。

終わってみれば、オトコが不在の映画。男性の監督にこれほどオンナの映画と言うものを見せられると逆に気持ちがいい。監督がゲイって言うのもあるのかな。


4年前に母を亡くしたライムンダ(ペネロペ・クルス)は久しぶりに故郷に住む伯母の家に向かう。思いのほかボケてしまった伯母が心配なライムンダだったが、とうとう伯母が亡くなったと連絡が入り・・・ぺドロ・アルモドヴァル監督の「女性讃歌3部作」最終作品。


母、娘、女。女はいろんな言葉で語られるけれど、ライムンダはどれも当てはまる。月並みな言葉だけれど、「女ならではの強さ」がほとばしっていた。自分の身に起きた悲劇、母親のこと、娘のこと・・・女たちは「血」「地」に縛られつつも、それらを捨てずに濃厚に結びついている。男たちの犯した「血」「地」のタブーが、女たちによって修復されてゆく。それが「帰郷」なのかもしれない。


ペネロペ・クルスにはオカンの風格が漂う。なんだかどっしりしたスタイルになって、彼女ももう若くはないのね・・・と思うとちょっと寂しいが、演技の幅が広がったかな。料理するシーンが好きです。
「亡くなった母」のシーンはちょっとびっくり。最初「何がジェーンに起こったか」のジェーンみたいで正直怖かった。女性の髪形って言うのはやっぱり大事なんだね。ライムンダの姉ソーレが美容師なのも意味深だ。


しかし、スペイン映画って言うのはホントまばゆいぐらいの原色の世界。この監督の作品で言えば「Bad Education」が衝撃的だったな。また見たくなりました。


ブログランキング に参加しています