コロナの検査も無事に通過し、入院当日を迎えました。
入院手続きを済ませ、案内された病棟へ。
病棟入口で旦那さんに最後にお腹を撫でてもらい、そこからは一人で向かいました。
入院一日目
初日は大部屋だと聞いていたので、案内された4人部屋のベッドで着替えやコップなどを準備していると、病棟の看護師長さんが挨拶に来てくれました。師長さんは顔を見るなり私をガバッと抱き締め、「あんたは何も悪くないから!絶対悪くない!!悪くないからな!!」と言ってくれました。
私は突然のことに驚きましたが、その気持ちがありがたく、押さえていた気持ちを吐き出すようにたくさん泣いてしまいました。
師長さんは何度も「悪くない、絶対悪くない、よく頑張ったよ、えらいよ、私もいるし、みんなついてる、一人じゃないからな」と言ってくれました。
辛い気持ちとこんなにも暖かい言葉をかけてもらえるありがたさ、いろいろ混ざって小さな子供のように大声で泣いていました。
師長さんのお陰で不安も全て涙で流すことができ、落ち着くことができました。
それからしばらくベッドで休んでから、一度目の処置で呼ばれました。
内診台にのり、確定診断を受けて以来のエコーを受けました。相変わらずとても元気に動いている様子が映し出され、やっぱり可愛くて、これから数日でお別れすることなんか嘘のように、まるで通常健診のエコーのように、先生と一緒に可愛いねーと言いながら長い時間かけて最後のエコーが終わりました。途中で動画も撮らせてもらいました。エコーの間ずっと赤ちゃんに「ごめんね」と「ありがとう」を伝えました。
その後、子宮口を広げる処置が始まりました。
他の方のブログでも書かれていたようにやっぱり痛い…でも、これで赤ちゃんが出てくるときに痛くないなら苦しくないなら、こんな痛みちっとも痛くない。
「はい、今日はこれでおしまい。次は明日の朝と夜に一回ずつ同じ処置をします。」と言われ部屋に戻りました。
夜は眠るのがもったいなくて、お腹を撫でて静かに胎動を感じていました。

入院二日目
個室に移った私はお腹の赤ちゃんにたくさん話しかけました。胎動を感じると会話してくれているようで嬉しくて、暇があればずっと話をしました。朝と夜の処置は前日の処置とは比べ物にならないくらい痛く、熱も出たりしましたが私たちは一人じゃない、私にはこの子がいる、この子には私がいる。二人で一緒に頑張ってる、大丈夫。怖くないよ。痛くないよ。
この日は担当の看護師さんとバースプランを相談して決めました。
予め旦那さんとこれをしてあげたいと話をしていたので、それを伝えました。
手足形をとること、母子手帳に記録してほしいこと、体を拭いて産着を着せてあげたい、もし母乳が出たらガーゼに含ませて棺に入れたい、できる限り同室でいたい…たくさん要望を言いましたが、「全てやりましょう!」と言っていただけてほっとしました。
夜はテレビ電話で家族みんなでしゃべって過ごしました。

明日は朝から陣痛を起こし分娩になる日。
明日はこの子とお別れになる日。
明日になれば話しかけても返事はもうもらえない。
この子が、どうか寂しくないように。どうか苦しくないように。
大丈夫よ、あなたにはママがついてる。
最期までずっと一緒にいるから-----
胸が押し潰されてどうにかなりそうでした。

「今日は今日だけは夜ふかししてママとお話してねー。ママとパパのところに来てくれてありがとう。それなのにちゃんと元気に産んであげられなくてごめんね。一人で先に逝かせてごめんなさい。ママもパパもねぇね、にぃに達もあなたのことが大好き。いつまでも大好き。あなたとまた会えるまで、ママ達は一生懸命生きるね。次会ったらまたお話いっぱいしようね。いっぱいギューさせてね。その時にお腹で思っていたこと教えてね。ママのせいで!って怒ってね。全部全部受け止めるから、いっぱいお話してね。大好き、愛してる」
ポコポコと小さな胎動で返事をしてくれるあなたが本当に愛しい。
たくさんたくさん泣いて、謝って、感謝して、赤ちゃんがお腹の中にいる最後の夜を過ごしました。

次回は分娩の日のことを振り返りたいとおもいます。