結論、いたってフツーの映画 でした。以上おわり。


え゛!? もっと偏ったイカレタ論評が読みたいって?

いやだってさ・・・普通の人にフツーに受け入れられる映画だもん。とくに何にもないっすよ。

泣かされるかと思って期待して行ったんですが、私には比較的淡々としたストーリー展開に見えて、特に感慨はなかったですね。

「生きたい!生きたい!」と悩んで苦しんでどうしようもなく追い詰められた果てに、「やっぱり大切な人を守りたい」って覚悟を決めるような赤裸々な葛藤があればともかく、割りと皆さん潔く覚悟決めてしまうんですもの。

まあ、それが昔の人の凄いところだったのかもしれません。


印象としては、

冒頭・・・フルメタルジャケット かと思った。(新兵教育、精神注入棒によるリンチ)

中盤・・・朝の連続小説かと思った。(家族との会話、日本の古い風景・生活)

クライマックス・・・プライベートライアン の冒頭+ブラックホークダウン かと思った。(混乱する戦場)

スタッフロール・・・サイアク 誰だあんな歌手引っ張ってきた奴は・・・


わかってはいたのですが、N斑津余死の歌は生理的に受け付けません。台無し気分でした。

2chでどなたかが書いてましたが、さだまさし翁に歌って頂いたほうが悲しく切なくなるのでしょうなあ。「♪海は死にます~」

ちなみに今年までの巨人戦、清原登場は私には拷問でした。余談が長くなりました。


まあ、なんてーか私のように特殊な人間には「ううーむ 何を訴えたいのか総花っぽくてぼやけてるなあ~」なんて感じちゃいましたが、専門知識もなく特定の思想に染まっているわけでもない健全な善男善女には間違いなくド迫力で悲しくて、反町さんと獅童さんカコイイって感じでないでしょうか。

戦争モノというと、ドロを舐めることのない士官クラスが主人公だったりしますが、本作では主人公クラスが全部下士官!全体の戦争の流れは何となくしかわからないまんま、否応もないけど沖縄に死にに行くなんて覚悟を決めるなんてのはちょっと新鮮な感じですね。


まあ、なんてーか、私的にはかれこれ20年ぐらい前に見た「連合艦隊 」の方が印象強かったな~


それになあ、主砲から発射された三式対空弾で雷撃機を落としちゃったりするの見ると、萎えるよなあ。

あり得たのかな、そんなの。(多分フツーの人には全くわからんちん)

それに甲板上に機銃操作兵がいるって言うのに主砲は撃てないでしょう。発射の熱風でとんでもない目にあっちゃいますぜ。


そもそも私、大和より武蔵派だし(もうマニアック道一直線)

沖縄特攻戦も悲壮だけど、連合艦隊最後の組織的抵抗と言われるレイテ海戦 の壮大な囮作戦の一翼を担って、米軍の全攻撃を単艦で受け止めて(そのためにわざわざ目立つような塗装までまとって)、大和以上の阿鼻叫喚とも言われた凄惨な死傷率の中、魚雷20発、爆弾多数という艦船史上最大の被害を受けてフィリピン・シブヤン海の深海に沈んで行ったかの船なんかも胸を打ちますね。

同じレイテ海戦で、米機動部隊を完璧に引っ掛けて主戦場から遠く引き離し、最後はやはり艦載機の集中攻撃を受けて撃沈した、太平洋戦争史上最高の殊勲艦、空母瑞鶴(真珠湾攻撃からずっと活躍)なんてのも私としては大和以上に好きな船ですねえ。一般には全く知られていませんが。

ちなみ映画「連合艦隊」ではどちらかと言うと瑞鶴が主役艦。


なんてーか、今更ながら「男ヤマ」を見て思ったのは「やっぱ戦争ってカッコ悪いもんだよなあ」という率直な気持ち。

集団によるミスのない行動を強いられる艦船乗員は私には向かないなあってなこと。

まあ、書きたい事はまだまだいっぱいありますが、今日はこれくらいまで。


でも、間違いなく完成度の高い作品だと思いますよ。よろしければどうぞ。