注意 :ネタバレ有り。


物語の筋を最後までバラしちゃってます。

(浜村淳並みに:関西の中高年の方ご存知ですよね。(笑))

知りたくない方は飛ばして下さい。



 劇場公開中の「青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない」。


冒頭のシーンが公式Xで公開されていました。


 

私は原作で読んだのですが、前作「青春ブタ野郎はお出掛けシスターの夢を見ない」の最後で咲太の前に現れた恋人、麻衣の小学生の頃にそっくりな少女。


この少女が物語の重要な鍵になります。



花楓(かえで)の受けたいじめが原因の思春期症候群と記憶喪失に責任を感じ、精神を病んでしまった咲太達の母親が体調が良くなり、病院から一時帰宅を許され、花楓に会いたがってると咲太は父親から知らされます。



妹、花楓に「母さんと会いたいか?」と尋ねる咲太に、「会いたい!」と力強く答える記憶の回復した花楓。


やがて実家で涙の対面を果たし心から良かったと思う咲太の身体に翌日異変が…。


いつもまわりの人達の思春期症候群の解決の為に、親身になっている咲太自身が思春期症候群に。


母親と自分との関係を意識することで発症。

かつて麻衣が発症したのと同じく、周りの人達から認知されなくなってしまいます。


何とかして治そうと解決方法を探す咲太の前に小学生の頃の麻衣に似た少女が現われ、咲太をもう一つの並行世界へ連れ出します。


そこは花楓のいじめも、並行世界のもうひとりの咲太により解決され、母親も精神を病むこと無く、何もかも上手く行ったとても居心地の良い世界。


しかし咲太はこの世界は自分の居るべき世界ではないと、三たび現れた麻衣に似た少女に頼んで、元いた世界へ戻ります。


やはり誰にも気付いてもらえない中、それでもいつも通り学校へ行き、夜の誰も居ない峯ヶ原高校のグランドで咲太の前に現れたのは…麻衣!


咲太の発症前に麻衣が書いていた婚姻届を見て咲太を思い出し、ここにいるだろうと来てくれたのでした。


一緒に咲太のマンションへ帰り、安心した咲太は「記憶を失くした花楓を抱えて…ふたりで暮らし始めて料理や洗濯…やるしかなかったんです…。」とポツリポツリ、心の奥底に押し殺していた自分の本心を麻衣に語り始めると「よく頑張ったね」とやさしく慰める麻衣の言葉に嗚咽を漏らし、それはやがて麻衣の胸の中で号泣に変わって行きました。


翌日、撮影の現場へ戻った麻衣と別れた咲太は母親と向き合う覚悟を決め、父親のマンションへ向かい、部屋で母親が病院へ戻った事を知ってそちらへ向かいます。


病室に入った咲太にやはりまだ気付けない母親に、「また来るよ」と声を掛けて背を向け、病室のスライドドアに手を掛け、去ろうとする咲太に「咲太…。お見舞いに来てくれたの?」と声を掛ける母親。


驚きの表情で振り向く咲太に、ニッコリ微笑む母親。


「花楓を守ってくれてありがとう。咲太がお兄ちゃんで本当によかった。」と涙を滲ませながら話す母親に、思わず近寄り自分も涙ぐみながら両手を伸ばした咲太と母親は、お互いに肩を抱き寄せながら号泣しました。


その時病室のスライドドアが開き、付き添いで来ていた花楓が「お兄ちゃん…。」と号泣するふたりを見て涙し、その中に入って三人で肩を抱き寄せながら号泣するのでした。



 という話です。


咲太と麻衣の今までの辛い体験(「青春ブタ野郎は夢見る少女の夢を見ない」での咲太をかばった麻衣の悲劇)を乗り越えた、深い信頼と愛情。

花楓を始め、のどかや理央、国見や朋絵、そして梢子と、家族や親友、後輩に心の支えになった人たちがみんなやさしくていい人ばかりで、咲太が困っているときに助けてくれるところがいいです。


あと登場人物たちが個性的でちょっと笑わせてくれます。

(咲太が調子に乗ると麻衣が咲太のつま先をグリグリ踏んできたり、咲太と朋絵の “尻を蹴り合った仲” など。)


そして切ない気持ちになったり、登場人物たちに感情移入して感動したり出来るところもいいです。


現在上映中の 「…ランドセルガールは夢を見ない」から見ても楽しめますし、テレビ版を1話から見ると、より話の筋がわかります。


原作小説は劇場版よりも先の話まで進んでるので、続きが気になる方はそちらを読んで見てもいいと思います。


大学生編のアニメ制作が発表された青豚シリーズ。

今から放送が待ち遠しいです。