『聞く』は語られていることを言葉通りに受け止めること、『聴く』は語られていることの裏にあり気持ちに触れること。

 

【聞いてもらう、からはじめよう】

あなたが話を聞けないのは、あなたの話を聞いてもらっていないからです。心が追い詰められ、脅かされているときには、僕らは人の話を聞けません。ですから、聞いてもらう必要がある。

 

【聞く技術 小手先編】

①   時間と場所を決めてもらおう

・『どこで話そうか?』、『どれくらいの時間があるといいかな?』と尋ねてみる。相手がちょうどよい設定を提案してくれるはずです。

②   眉毛にしゃべらせよう

・ようは『反応している』のが大事です。反応があると人は嬉しいものです。眉毛がクイっとあがるだけで、ちゃんと聞いてもらっている感じがして、もっと話をしたくなる。

③   正直でいよう

④   沈黙に強くなろう

・情報交換のためにの話は、ペースが速いほうが効率がいいかもしれないけど、心の苦しいところを聞こうとするのであれば、ペースは遅いほうがいい。沈黙がたくさんある会話には、心が滲み出てくるものです。

⑤   返事は遅く

⑥   7色の相槌

⑦   奥義オウム返し

・ただこれ、最後の手段というか、奥義なんで、危険もあります。小手先臭が半端ないんです。僕の場合は『○○ということで合ってる?』って応用したりします。オウム返し改です。

⑧   気持ちと事実をセットに

・質問の基本は『詳しく訊く』に尽きます。『もうちょっと詳しく教えて』がベーシックな小手先。相手が気持ちを話している時、『具体的に何が起きたの?』と事実を聞く。逆に相手が事実だけを話している時は、気持ちを聞きましょう。5秒我慢して、そのうえで『どう思ったの?』って聞いてみる。事実と気持ちがセットで語られるとき、心は伝わってきます。

 

※相手との関係が悪くなったとき、それでも話を聞くためにはどうしたらよいのか?答えはシンプル。まずは聞いてもらうからはじめよう。話を聞けないときには、あなた自身が誰かに話を聞いてもらう必要がある。

 

 

【孤独と孤立のちがい】

孤独には安心感が、孤立には不安感がある。孤立しているときには話は聞けないけど、孤独になれるならば話を聞く力が戻ってくる。

 

 

【一瞬で解決しない】

どうしたらいいのか。きわめて凡庸な話ですが、『時間をかける』しかありません。メンタルヘルスのアルファにオメガは、つまり初歩にして最終奥義は、時間をかけて何回も会うことです。心の変化には劇的な一瞬ではなく、見守られながら流れる地味な時間の蓄積で起こるものだからです。魔法のアドバイスや運命の出会いよりも、地味な関係性の積み重ねのほうが役に立つ。時間を信じる。それがメンタルヘルスの最終奥義だともいます。

 

 

【心は複数ある】

誰にでも心が複数あることを思い出す必要がある。僕らの中には相手の矛盾した気持ちが両方あって、それらが押し引きしながら、日々の暮らしが営まれている。

 

【聞いてもらう技術 小手先編】

①   隣に座ろう

②   トイレは一緒に

③   一緒に帰ろう

④   ZOOMで最後まで残ろう

⑤   たき火を囲もう

⑥   単純な作業を一緒にやろう

⑦   悪口を言ってみよう

⑧   早めに周りに言っておこう

⑨   ワケありげな顔をしよう

⑩   トイレに頻繁に行こう

⑪   薬を飲み、健康診断の話をしよう

⑫   黒いマスクにしてみよう

⑬   遅刻をして、締切を破ろう

もし身近に『聞いてもらう技術』を使っている人がいたら、聞いてあげてほしいのです。『聞く技術』の本質は、『聞いてもらう技術』を使っている人を見つけ出すところにあります。

 

 

【それつらいよね】

人が人を理解することの根本は、専門家が専門的知識を通じて理解するというようなものではなく、ふつうに生活しているなかで知人と『それ、つらいよね』と交わす気持ちのやりとりなのだと思います。

 

 

【診断名のちから】

診断名には環境を大きく変えるちからがあります。仕事が失敗続きで、集中力を欠き、職場の人間関係でもトラブルを起こし続けている人に『うつ』という診断名がつくと、会社には仕事を調整したり、休職の手続きをしたりする義務が発生します。周囲の人も『お大事に』と声をかけ、いろいろ手伝ってくれるようになる。

 

 

・みんなが心配している。そして、本人もしばしその心配に頼ることができる。これが心の回復の核心です。

・苦しい気持ちを預かってもらえると、僕らの心にはスペースができます。

・おせっかいに案外ひとは助けられます。

・『なにかあった?』と声をかけ、彼らの抱えている複雑な事情を時間をかけて聞いてあげてほしい。白か黒か極端な結論だけでなく、その裏にある灰色の長い話に耳を傾けてほしいのです。



・野球部のするべきことは、『顧客に感動を与えること』『顧客に感動を与えるための組織』というのが、野球部の定義だった。

 

・これまでマーケティングは、販売に関係する全職能の遂行を意味するにすぎなかった。それではまだ販売である。われわれの製品からスタートしている。われわれの市場を探している。これに対し真のマーケティングは顧客からスタートする。すなわち現実、欲求、価値からスタートする。『われわれは何を売りたいか』ではなく、『顧客は何を買いたいか』を問う。『われわれの製品やサービスにできることはこれである』ではなく、『顧客が価値がありとし、必要とし、求めている満足がこれである』という。

 

・マネジメントは生産的な仕事を通じて、働く人たちに成果をあげさせなければならない。働きがいを与えるには、仕事そのものに責任を持たせなければならない。そのためには、①生産的な仕事、②フィードバック情報、③継続学習が不可欠である。

 

・成長には準備が必要である。いつ機会が訪れるかは予測できない。準備しておかなければならない。準備ができていなければ、機会は去り、他所へ行く。

 

・『人は最大の資産である』

 

①   競争

試合には、他人と競争することの魅力があった。それは、試合そのものもそうだし、攻撃や守備や走塁もそうだ。他人と競い、争う。そのことの緊張感や面白さが試合にはあった。一方、練習にはそれが少なかった。多くの場合、他人と競争するというよりは、むしろ自分との戦いという部分が大きかった。

②   結果

試合には『結果がでる』という魅力があった。それは、時に残酷でもあったが、その残酷さも含めて、白黒はっきりするところが試合の魅力だった。一方、練習は結果の見えにくいところがあった。自分に力がついたかどうかよくわからない、もどかしいところだった。

③   責任

試合にあって練習にない要素。

 

・働きがいを与えるには、仕事そのものに責任を持たせなければならない。

 

・イノベーションこそが、これまでの常識を捨て、新しい価値を打ち立てるということだった。イノベーションとは、科学や技術そのものではなく価値である。組織の中ではなく、組織の外にもたらす変化である。イノベーションの尺度は、外の世界への影響である。

 

・急速に拡大しつつある市場、特に新しい市場においては、独占的な供給者の業績は、力のある競争相手がいる場合よりも劣ることが多い。矛盾と思われるかもしれない。事実、ほとんどの企業人がそのような考えをとっていない。しかし、新市場、特に大きな新市場は、供給者が一社よりも複数であるほうが、はるかに速く拡大する傾向がある。

 

・真摯さを絶対視して、初めてまともな組織といえる。それはまず、人事に関わる決定において象徴的に表れる。真摯さは取ってつけるわけにはいかない。すでに身につけていなければならない。ごまかしがきかない。ともに働く者、特に部下に対しては、真摯であるかどうかは、二、三週間でわかる。無知や無能、態度の悪さや頼りなさには寛大たりうる。だが、真摯さの欠如は許さない。決して許さない。彼らはそのような者をマネジャーに選ぶことを許さない。

 

・組織構造は、組織の中の人間や組織単位の関心を、努力ではなく成果に向けさせなければならない。成果こそ、すべての活動の目的である。専門家や直史としてでなくマネジャーとして行動する者の数、管理の技術や専門的な能力によってでなく成果や業績によって評価される者の数を可能なかぎり増やさなければならない。



多死社会に備える 介護の未来と最期の選択 長岡美代

 

【おひとりさまの支援に乗り出す自治体】

品川区では、家主の不安を解消して高齢者が転居先を探しやすくなるよう、入居後の見守りや家財処分などを支援する事業を独自に行なっている。区が委託した品川区社会福祉協議会の職員やアパートを毎日訪問して安否を確認するとともに、緊急時にも対応。日常生活での困りごとなど相談にも応じる。さらに、死亡後も速やかに家財道具を処分できるよう、事前に本人と契約を交わしておく。これなら、家主も安心して部屋を貸すことができるだけでなく、高齢者も認知症になったり、介護が必要になったりしても素早く必要な支援につなげてもらいやすくなる。同事業はまだスタートして間もないので普及しきれていない面はあるものの、孤独死を防ぐことにもつながると期待されている。貸し手と借り手の双方の不安に配慮した至れり尽くせりの仕組みと言えるだろう。

 

 

【終活情報を一元管理する横須賀市】

横須賀市は、2018年から終活情報を生前に登録しておく『わたしの終活登録』という事業をスタートさせた。あらかじめ、本人が葬儀の契約先や墓の所在地などを市に登録しておくと、死亡時に関係先に情報が伝えられる仕組みだ。

 

 

【心肺蘇生の要否をルール化】

東京消防庁は、心肺蘇生を望まない傷病者への対応について初めてルールを取り決め、2019年12月から運用を開始した。ルールは、家族から心肺蘇生の中止を求められた場合には、その場でかかりつけ医に連絡をとって、事前に本人や家族を交えて終末期の医療について話し合いによる意思決定がなされていることなどを確認できれば、蘇生を中断し、かかりつけ医、または、家族に引き継ぐ。運用開始から2020年6月中旬までの6か月間で救急隊が家族から心肺蘇生を望まない意思を示されたのは63件。このうち心肺蘇生を中止して、かかりつけ医、または家族らに引き継ぐことができたのは、9割超の58件にのぼった。この結果について、東京消防庁の救急部長は、『思いのほか、かかりつけ医が駆けつけてくれる。なぜもっと早くやらなかったのかと思っているくらいだ。』と手ごたえを感じている。かかりつけ医の役割がいかに大切か思い知らされたという。

 

 

【伴走者となるケアマネジャーをいかに探すか】

病院の都合や家族の意向に流されず、最期まで自己決定を貫けるようにするためには、信頼できるケアマネジャーを見つけることも欠かせない。

【病院信仰がもたらす弊害】

せっかく自宅での療養を開始したとしても、いざ最期が近づいてくると病院に入院する(させる)ことを望んだり、ときには家族が救急車を呼んでしまったるする場合もある。その結果、帰らぬ人になってしまう例は少なくない。そうした行動をとる背景には、根強い“病院信仰”があると指摘する。『たとえ、終末期であっても入院させれば助かるのではないかという考えがあるのでしょう。点滴すれば症状が改善すると思い込んでいる場合もあります。しあkし、代謝が低下しているのに、点滴で過剰な水分を与えると、血管に吸収しきれずに身体がむくんだり、痰が出やすくなったりして苦しむこともあります。終末期になると水分や食事の摂取量が減りますが、それは身体を軽くして苦しまないで逝くための準備でもあるのです。』死に向かっている身体には、余分な水分が“仇”になるというわけだ。

 

 

【『10の基本ケア』で在宅ひとり死を実現】

社会福祉法人協同福祉会(奈良県大和郡山市)では、『10の基本ケア』という自立支援ケアによってトイレに自分で行けるようにさせてしまう。オムツ交換などの排泄介助は家族がもっとも負担に感じるが、これが解消されることで在宅介護を決断する家族も少なくないのだという。ひとり暮らしの高齢者にとっても、排泄の自立は在宅生活を続けるうえで大きな力になる。

1. 換気する

2. 床に足をつけて椅子に座る

3. トイレに座る

4. あたたかい食事をする

5. 家庭浴に入る

6. 座って会話をする

7. 町内にお出かけをする

8. 夢中になれることをする

9. ケア会議をする

10.     ターミナルケアをする

 

 

自宅での看取りを実現するには、本人と家族の“覚悟”が必要なことを紹介した。しかし、覚悟は最初からあるのではなく、経過とともに培われていくものなのだということを痛感させられた。ケアマネや医療・介護従事者の皆さんが、本人と家族の揺れる思いをきちんと受け止め、最期まで寄り添い続けてくれたからこそ、覚悟が持てる良いになったのだ思う。そう、覚悟は後からついてくるので、最初からなくたっていいのだ。