みなさまこんにちは!

 

引き続きアスペによるアスペの子育て実践中の岩堀由美子です。

 

「字の書けない子や読めない子に、無理やり書かせたり読ませたいしないで!」というキャンペーンはひとまず終了しますが、今日もどこかで苦痛にさいなまれながら、漢字の反復練習をさせられている子どもたちがいることは、いつも私の心にあります。

 

最近、16歳の娘に久しぶりのチックが出ています。長期間の外出自粛と社会不安の高まりで、かなりのストレスが溜まっていることはわかっていました。6月に入り学校が始まっても、第二波到来をにらんだ大量のレポート課題が、大きな負担なのだとも思っていました。しかし、昨夜、そんな表面的な認識では全く娘の状態を把握できていなかったとわかりました。

 

娘はかなり重度のディスレクシアですが、高校2年にして生まれて初めて「学習障害じゃない普通の子が羨ましい」と泣きました。高校で出会った親友と彼氏さんは、大学進学を当たり前に望める学力の高校生です。娘にはちょうどいい難易度の試験やレポートも、たぶん彼らにはレベルがあっていなくて、短時間でやっつけても100点が取れたりするのだそうです。バイトや創作活動を十分にしながら、無理のない進路を考えている彼らには、「私がどれほど無理して頑張っているかわからないだろう」と思うようです。コロナの影響も意識して大学進学について語り合う中で、読み書き障害で学習障害でもある、自分自身の現実の厳しさを思い知るようです。

 

「彼だって重い荷物をしょって歩いてるけど、私にはその荷物が見えている。私には荷物だけじゃなくて足枷がある。どうしても一緒に歩けないのに不思議そうな表情が見えてしまう。」

 

悲しいけれど仕方がない、可哀そうだけれど仕方がない。普通に学校へ行かせていたら、小学校の低学年で経験したであろう感情です。ここまで成長するのを待てたから、人格形成の基礎に対する決定的な悪影響は回避できたと思うのです。

 

アスペさんの思考は一度定着してしまったら、あとから修正を入れるのは困難です。小学校へ行かせなかった理由の一つは、娘にとって不適切な影響をその時期に受けることは避けたかったからです。なので集団教育に参加する時期については、娘の精神的負荷を小さくする、必要最低限の思考形態が確立するのを待っていました。

 

「誰にでも得意なことと苦手なことがある」

「人には出来ることも出来ないこともある」

「しんどいことは人に頼めばいい」

「読み書き計算が得意じゃないのは自分のせいじゃない」

「支援を受けるのは恥ずかしいことではない」

「勉強の出来る出来ないは人間の価値とは関係ない」

 

娘の基本的価値観の形成について、もう揺らがないという見通しを精神科の主治医と共有できたからこそ、不登校経験者だけを対象とする、少人数制の公立中学に進学したのです。

 

娘が中学の3年間で身につけた力の一つは、疲れすぎないように自分をコントロールすることだと思います。何度も限界に挑戦しては私を心配させましたが、どんなに悔しくても悲しくても、もうちょっと頑張れば何とかなると思っても、限界を超える前には必ずあきらめること。親が娘に持つ感情としては可笑しいと思われるかもしれませんが、私は娘の自制心の強さに心からの敬意を抱いています。

 

「自分を頑張らせ過ぎてはいけない」

「目標達成のためでも無理をしてはいけない」

「自分の精神状態の安定を最優先する」

 

振り返れば最高だ宝物だと懐かしむ中学生活においても、彼女がどれほど我慢していたか、どれほど耐えていたか、私はよく知っているのです。

 

誇り高きアスペ娘は、合理的配慮や支援を求めるためには、臆することなく自分の障害を周囲に説明します。今ではレポートを溜めると大変だとわかっているので、自分でスケジュールを管理し毎日少しづつ進めます。人間関係の構築と維持に素晴らしい能力を見せ、トラブル時の対応にも驚くべき力を発揮するとわかりました。高校生になって3度目の、劇的成長「化ける」が起こっていると感じます。

 

京都芸術大学附属高校は、アクティブラーニングに特化した通信制高校で、娘にはぴったりの素晴らしい環境だと思います(あまりに自由で出席日数や課題提出がコントロールできない子もいるようではありますが・・・良いことだけ書くわけにもいかないよね)。とにかく在学中は高校生活を最大限に楽しんで、進路のことは卒業してからゆっくり考えればいいと思っていました。大学に行くにしても、もう少し大人になってからのほうが楽だろうと・・・。

 

とはいえ、家の外で様々な人と関われば、様々な考えに影響を受けますし、本人や周囲の思考に対するコロナ禍の影響も小さくありません。高校在学中に受験勉強を始めるというのなら、頑張り過ぎて壊れないように見守るしかありません。

 

今朝はいつもの顔を取り戻している誇り高き娘のために、私ができることといえば、入試や在学中の支援や配慮についての情報収集でしょうか。。。

 

またしてもミッションインポッシブルの発動です。