長い話になるので関心のない方はスルーしてね(^_^;)

娘が不登校児を対象とする全校定員15人の中学校に5月1日付で転入学出来ることになりました。私の娘はアスペでLDで,集団生活にも集団教育にも適応できません。今の日本の教育制度の恩恵にはあずかれないタイプですから、義務教育の間は学校へやらずに家で育てるつもりでした。しかし、2年ほど前に京都市には不登校生を対象とする少人数制の公立中学がある事を知り、「娘の居場所になるかもしれない」と情報を集めて検討を始め、5年生の夏から具体的な希望を持って在籍中の小学校に相談し、小学校を通して不登校支援センターの支援も受け、本人の気持ちに寄り添いつつ1年半をかけて準備を進め、昨日、ついに転入学決定書を受け取りました。

手放しで嬉しいです\(^o^)/

高難度の任務が完了したような開放感と達成感で、ご支援を頂いた多くの方々に感謝し、感動を分かちあっていただいています。振り返れば、6年生の1年間は娘のスケジュールを最優先にした生活で、娘と二人三脚の「お受験」をしているような気分でした。これから通う中学校が天国のような理想郷で、これで娘の生活がすべてが上手く行くなどとは思っていませんが、今の日本に、これ以上の環境とプログラムを提供してくれる学校が他にあるとは思えず、そこに家から通えるなんて、本当に恵まれていると思います。

娘の通う中学は夜間中学の昼間部で、授業は午後からなので(13:30~18:40)朝起きられない不登校生には理想的です。授業時間数も一般校の7割程度と少なく、教科書などは同じですが、不登校時期や不登校期間の異なる一人ひとりの生徒に配慮した対応をしてもらえるそうです。美術、音楽、体育、家庭科は夜間部との合同授業です。見学させていただいた感じでは、中国語や朝鮮語を母語とする年配女性が中心で、素敵な異文化交流経験になりそうです。そして何より素晴らしいのは、校内の空間作りです。人口密度が低くオープンスペースが快適で解放感があり、少し人と距離をおいて一人になれるような、隠れ場スペースも其処此処にあります。娘のような特性の子どもたちには必須の空間構成であるとはいえ、日本の公立中学の環境としては、あり得ないほど恵まれた条件だと思います。

これだけ素敵な中学なら京都中の不登校生が押し寄せそうですが、体験会でお会いした保護者の方々の中には、戸惑い躊躇される方々もおられたようです。曰く、「友達を見つけるには生徒数が少なすぎるのではないか」、「授業が午後からでは朝起きる習慣がつかないのでは」、「帰りが遅くなると他の習い事ができない」、「いわゆる「内申」がつかないと高校進学時に困るのではないか」(ちなみに一般校と授業内容が違うため内申はつかないものの、内申に相当するものは学校から書いてもらえるらしい)、「年配の在日の方々との交流は難しいのではないか」、「部活がないというのはどうなんだろう」・・・などなど。

まあ、そういう事が重要な問題だと思うなら転入学は選択しないだろうから、激戦を覚悟していた私たちとしては、少ない定員枠に潜り込めてとても幸運でした。

京都市には立派な不登校相談支援センターがあり、不登校児を対象とする中学校が2校あり、適応指導教室(学習室)は市内5か所、出席扱いを受けられるフリースクールとの連携事業もあります。大都市ならではの選択肢の豊富さに恵まれているようですが、150万に迫る人口規模からすると、これでもすべてのニーズに応えられる事業規模とはいえず、希望者のすべてが受け入れられる状況ではありません。また、在籍校→教育委員会→支援センターを通してしかアクセスできないので、情報収集能力やコミュニケーション能力、なにより時間に余裕のある保護者にしか充分な支援がとどかないという問題もあります。

京都市の予算や施設のキャパシティには限界があり、潜在需要は対応能力を遥かに上回っているでしょう。京都市の不登校対策事業には敬意を表しますが、広報を徹底して転入学希望者が殺到したら、ソフトとハードの両面において、現在の質を維持した学校運営は破綻してしまうかも知れません。

さてさて、与えられた機会に感謝しつつ、最後に私の要望を。

「LD教育の専門家とスクールカウンセラーを備えた、定員15人程度の小規模小中学校をすべての学区に開設して欲しい。」

えっ、インクルーシブ教育に逆行してるって?理論的には賛同できるとしても、それがこの社会で実現できるイメージが持てなくて(笑)