字が書けない子どもに対して

今、私の娘はめったに字を書かないが、書くときには漢字やアルファベットや絵の混じった創作物といえるようなものを描く。内容は自分の言いたいことで、「肉は牛いがいきんしさかなブタきんしこめわはくいがいきんし(牛肉しか食べたくない、五分付米は嫌だ、白米にしろの意)」などと誤字鏡文字だらけで紙に書き、冷蔵庫に貼ったりする。「き」や「さ」が左右逆になったり、「さかな」や「ブタ」は絵になっていたりする。鏡文字とは左右が逆になった文字で、bがd、pがqになったり、濁点が左についたりするものであるが、私たちのような学習障害をもつ者の場合は、これがかなりの年齢になっても治らない。24と42がひっくり返るので、計算にも困難があり、往々にして人より時間がかかる。漢字では1本線が2本になったり、その逆だったりもする。全体の印象が似ているものは見分けがつかず、味と咲、勤と難などの見分けがつかない。
我が家のお手洗いのドアには娘が飾り文字で書いたCWという紙が貼ってあるのだが、これなども典型的な例の一つだろう。彼女が3年生であることを考えると大問題とみる向きもあろうが、間違いは一切直さず、彼女が作品を仕上げるエネルギーで書いた字は大切に貼っておく。なぜなら、人に直されると書く気を失うからである。正しく書くなどというハイレベルなことを求めていたら、鉛筆も持たなくなるか、鬱になってしまう。学習障害を持つ私たちにとって、書くというのはそれぐらい大変なことで、子どもにたくさん字が書けるとは思わない。字のようなものを書いていたら、「書いた」という行為を褒めちぎるくらいで暮らしている。

・無理やり書かせない
・反復練習させない
・本人の興味のあることを書く(アニメのキャラクターの名前でもいい)
・たくさん書かなくてもいい
・書いたものは評価する