2年前になりますが、『世界滅亡国家史』(サンマーク出版)という訳書を出しました。

 

 

 

著者のギデオン・デフォーは、オックスフォード大学で考古学と人類学を専攻し、いまでは作家・アニメ脚本家として活躍しています。

 

この本では、歴史に消えた48の国を取り上げ、どのように誕生したのか、どれくらい続いたのか、なぜ滅んだのかを数ページで解説しています。

 

たとえば、

 

・人口0人の国家「トリニダード公国」(1893~95年)

・国境線の引き間違えで誕生した「コスパイア共和国」(1440~1826年)

・カナダに出現したカナダでない場所「オタワ市民病院産科病棟」(1943年1月19日)

・フランスとスペインの間にあったらしいミニ国家「グスト共和国」(19世紀のどこか)

・翌日には別の国になっていた「ルテニア(カルパト・ウクライナ)」(1939年3月15~16日)

 

など、歴史の本ではまず触れないと思われる国々が登場します。

 

この本を読むと、「実は人間の歴史はかなりいい加減なのではないか?」という思いを強くします。

 

ある国家、ある民族、ある一族が世界を支配しているという話にもそそられますが、もっと行き当たりばったりなのが「世界史」なのではないか、と。

 

「混乱の中で始まり(あるいは始めざるを得なくなり)、混乱の中で消えていく」というのも国家の運命なのかもしれません。

 

この本は歴史書として読むと物足りなく感じるでしょう。ただ、雑学本としては面白いと思います。

 

 

出版社のサイトで一部立ち読みができます。

よろしければアクセスしてみてください。