3月1日。
東京マラソンの日の味噌汁日記。
カナダから来日しているGaryが、
9:30ishで皇居ロング走をしているらしい。
ishというのは英語ネイティブの人たちがよく使う言い回しで、
「~ころ」とか「~くらい」という意味らしい。
勉強になった。
9:00ishでラフィネネオに着き、
着替えてから皇居ランへ出かける。
東京マラソンは9:10スタートだが、
30km地点の日比谷交差点はまだ交通規制がギリギリ敷かれておらず、
皇居への往きは地下道を通らず、
地上から向かう事が出来た。
桜田門に着いてみるとすぐに、
合流予定だったはちさんを発見。
しかしGaryの姿はない。
とりあえずがらっぱち(がんぷそらはち)で、
Garyを探しつつ1周をゆっくり走ってみるが、
見つからず。
「逆走してれば見つかるかな?」
と、逆走をしてすぐ、
桜田門の下あたりにGaryを発見したそらさんが
「Garyyyyyyy!!」
と声を上げながら一人の男性外国人にハグしに行った。
Garyだ。
そらさんが去年までいたバンクーバーでのランニングチームの仲間で、
いつもハッシュタグに使っている「#太陽は友達」のことばを授けてくれた恩人らしい。
とてもとても気さくな人柄で、
僕もはちさんも、そこまで英語がペラペラなわけではないんだけれども、
全く気にせず、1周5kmを一緒に走る中で、
いろんなことを話してくれた。
そもそもそらさんは
歴史とおなじく単語をぜんぜん覚えられないから
ほとんど英語を話せないのだが、
そんなそらさんにもカナダで分け隔てなく接してくれていた人物だ。
「気さくで陽気な外国人」を絵に描いたような人。
しかしながらそんなGaryでも、
東京マラソンの一般参加中止には大きなショックを受けたそうで、
2/16は仕事が手に着かなかった、と。
「3週間前だから、ロング走を終えてバッチリと準備をして、あとはテーパリングに入るタイミングでの知らせだったんだ。」
「僕は今年で54歳。ボストンの参加資格の3時間30分を、東京で切るつもりだった。」
「55歳になれば参加資格は3時間35分に緩まるんだけれども、出来れば3時間30分を切ってゲットしたかった。」
基本ハイテンションで、
皇居を走っている外国人ランナーを見つけると、
「Hi Guys!!」と大声で話しかけたりもするGaryだったが、
東京マラソンの話題の時は、
本当に物悲し気な顔をしながら話をしていた。
はちさんが次の予定のクイズ大会があったので、
僕たちは2周で切り上げるよ、
ランステに戻る途中で、
たぶんエリートランナー達を見送ることになると思う、
と伝えると、Garyが「僕も見たい」と。
はちさんはクイズ会場へ行き、
3人で日比谷公園方向へ。
途中Garyが、バンクーバーのチームメイトのDolaさんを発見し、
「Hey Mexican!(Dolaのこと) Tequila!!」と呼び止め、
Dolaさんも加わり4人に。
これに留まらず、
Garyは見ず知らずの外国人ランナー達をナンパしまくり、
思わぬ形で多国籍クラスター応援団結成。
一般参加中止、の意味を考えれば、
応援者が沢山集まる事は好ましくはない、
という認識はありました。
けれどもいざ、様々な思いを抱えて、
感染リスクの高い国であるにもかかわらず、
わざわざ来て下さった方々を前に、
「自粛しましょう」と言い出すことはできませんでした。
いや、アテンドに便乗した多少のエゴや、
正常性バイアス、みたいなものもあったかもしれません。
たどり着いた日比谷公園は、
沿道の歩道が閉鎖されており、
他の応援者はあんまりいませんでした。
公園内から無人の歩道を挟んでの観戦と相成り、
飛沫がランナーまで飛ばないくらいの距離が確保できていたのが幸いだったかな。
真ん中の女性がメキシコ系のバンクーバーチームメイトのDolaさん。
その後ろはアメリカから来たらしい速そうな女性ランナーさん。
後ろのゴツイ人とかはよく知りませんw
てかいつの間にいたんだよw
「ファイト―」が多い日本人の掛け声とは違い、
外国の方の応援は「ヒューーーー!」とか「オエーーーーイ!」とかで、
とにかく声がでかいw
「ガンバレガンバレー!」と日本語での応援もしてくれていました。
他、印象に残った掛け声は、、
大迫に向かって「Beat the Kenyan!!(ケニア人を倒せ!)」とか、
(→優勝したのはケニア人じゃなくてエチオピアのレゲゼだけどw)
それから、撃沈気味のランナーに向かって
「Stay one more!!(もうひとふんばり!)」とか。
時間にして20分くらいか。
ひとしきり応援し終わり、
即席応援団が解散するときにみんなが掛け合ってた合言葉は、
「See you next year Tokyo Marathon!!」
一国の首都で開催される大会なのに、
「不気味」と評されるほど閑散としていた沿道。
応援中も、「Different from past. Very quiet.」と伝えた。
そんな光景を目にしつつも、
全員が、来年は走りに来るからな!と言ってくれている。
不謹慎ながら申し訳なくも、
このみんなの顔を思い出すだけで、
とにかく自分は1年頑張って行けそうだ。
りょうこさんからアドバイスされたコロナ対策の備蓄から、
1年後への準備を始めよう。
OS-1も買った。
願わくばコース上で、なんだけれども、
たぶん沿道からになるでしょう。
彼らを見つけたときは、なんて声を掛けるかな。
それを考えるだけでも楽しみだ。