朝6時スタートの71kmに出走するあやたさん、サトさんも見送りで起きてくださり、コテージを出たのはスタート約1時間前の午前3時30分。

 

外に出てまだまっくろな空を見上げると、丸い満月が浮かんでいました。

 

 

 
ちなみにこの日の朝の山中湖では、満月が富士山頂に乗っかって見える「パール富士」というかなり珍しい現象が観測されていたそうです。
 
 

 

自分と同じく100kmの部に出走するかんくろーさん、レイさん、合流したさきこさん、見送りに来てくださったアレキさんと会場まで移動します。

宿泊したコテージから会場までは500mほどの距離ですぐに到着。

 

 

会場に着いて自分はドロップバックを預けるために3人とは別行動を取り、体育館の方へ向いました。

 

ドロップバックを使用するのは56kmの足和田エイドです。

ということは自分、56kmまで行けるつもりだったのでしょうか。

 

自分とは別に、かんくろーさんはドロップバックを預けませんでした。

 

 

かんくろーさんと自分。

 

同じように故障を抱えつつも、もし万が一にも調子が良くて走れちゃったら、という先を見てドロップバッグを預けた自分。


56kmなんて先のことなんて分からない。どこまで走るとか、考えたけどもういい。とドロップバッグを預けなかったかんくろーさん。

 

そこらへんの考え方が、完走かDNFかを分けたのかもしれませんね。

 

 


~~~~~~

 

 

結局かんくろーさん達とは別れたまま、午前3時30分チャレンジ富士五湖4Lakes100kmの部。

壮大な大人の『かけっこ』がスタートしました。

 

 

賑やかな富士北麓公園の会場を出て、暗闇と静寂の中を少し登り、すぐに長い下り坂が延々と続く道へ出ます。

 

ペースとしては、終始キロ6を意識。

目標としては山中湖をぐるっと回って会場に戻ってくる40km地点まで走ることですが、腰の具合次第では途中で引き返して歩いて戻ってくることも視野に入れていました。

 

 

最初の長い下りを降りつつ、本日の体調チェックを開始。

腰の具合は大丈夫そう。

前夜祭で飲んだお酒がちょっとだけ気になる。

ほんとにちょっとか?

 

まあ、前夜祭宴会は今回のチャレ富士でレースと並んで楽しみにしていたメインどころですので後悔は無しなのです。

 

 

長い下り坂の終わりくらい約10km地点に、トイレのある公園があることを知っていました。

 

トイレ方向に向かうと既に長蛇の列。

「次のトイレにしよう」

 

と思って素通りしようとしたところ、トイレ待ちの列に見覚えのあるアフロ、むらさんを発見します。

 

むらさんも故障を抱えており、自分と同じく直前までレースの走り方に悩んでいて、かんくろーさんと同じく密かに親近感を覚えていた。

公園のトイレ前で一言挨拶し、自分はコースへと復帰します。

 

 

山中湖へ向う道中、先ほどお会いしたむらさんが追いついてきました。

「(故障抱えるもの同士)お互い無理せず行きましょうね」と声を掛け合います。

 


むらさんに抜かれてからすこしして、白いALL OUTシャツを着た男性が見えてきました。

自分が知っているALL OUTシャツを着た男性、やんやんさんかな?

並んでみるとやはりやんやんさんでしたので、声を掛けます。

(腰は)大丈夫なのかと心配してくださったので「とりあえず北麓公園戻るまで」と答えました。

 

 

山中湖到着。ここで15km。

 

ここらへんまで来ると、朝のトワイライト時間帯でかなり明るくなっています。

朝靄に包まれる山中湖の光景と相まって、毎年走るたびに何ともいえない高揚感、山中湖に来ると「今年もチャレ富士がスタートしたんだ!」という思いがします。

 

 

朝靄の山中湖を半周したあたりで「ガンプさん」と声を掛けられる。

朝の「パール富士」を目撃していい気分のかまたろうさんです。

 

まさか今年のチャレ富士でもこの方に会えるとは。

 

2017年の71kmの部では、ヒーコラとたどり着いた先の復路の50km地点足和田エイドで「ちょっと、コーヒーでも飲んでいきませんか?」と妙に落ち着いた渋い声に誘惑された思い出がフラッシュバックします。

 

この年サブ7を逃がしたのは、「"喫茶かまたろう"に長居しすぎたせいだ!」と、どこぞの会社の先輩と後輩の間では今でも語り草(笑い草)となっているのです。

 

今年遭遇したかまたろうさんは全身ブラックのシャレオツワークマンファッションに包まれた、さしずめ「喫茶ニューかまたろう」。


今回はまだ序盤なのでコーヒーはご遠慮し(すすめられてないけど)、写真を撮って頂いてその場を後にしました。




 

 

それからほどなくして20km地点のエイドに到着。

 

 

チョコドーナッツを食べていると、足柄シャツを着たひろぽんさんがいました。

さらに、二人でチョコドーナッツを食べながら談笑(ウルトラあるある)していると、takaさんも出現。

 

takaさん、自分らより遅い4:45スタートなのにもう追いついてきた、ってことはいいペースで進んでいるんだなあ。

20kmで既に練習不足の脚が重くなっていたし、自分の状態を心配くださったお二人には「たぶん北麓公園まで行ってやめます」と伝えた。

 


こういうふうにレース中に吐いたことばは、現実になるものなんですよね。

先を見すぎていた、のがここらへんにも表れているかなぁ。

 

 

それでも、富士山をバックにした晴天の山中湖を横目に、贅沢な朝ランのロング走をポクポクと進みます。

ちょっと、暑くなってきていましたかね。

 

 

 

風光明媚な忍野八海を通り抜け、たどり着いた30km地点から先は長い登り基調。

 

 

脚も疲れてきていたので、30kmまでは全部走ったけれども、北麓公園までの長い登りは30kmのロング走を終えたダウン区間と思って歩きました。

 

 

坂を歩いていると、「あ・し・が・ら、やっと追いついたー」

この日、これから主役となるかんくろーさんが現れました。

 

 

すぐ後ろにレイさんもいるよ、というのでエイドで少し待ってレイさんも合流。

記念撮影を一枚。

 




 

しばし坂を三人で歩きます。

 

かんくろーさんとは前日から「40km手前の39km、北麓公園が目標かなあ」という話しをしていたんですが、「とりあえず公園の先の40kmのマットを踏みにいって来る」とのこと。

 

40kmまで行ったら1km公園まで戻ってこなきゃいけないんですよね。


すでにお散歩モードに入っていた自分からすると、1kmのお散歩は長くなるからパスだなーなんて思っていると「(アレキさんからは坂は歩いていいって言われたけど)今のこの坂は歩く坂なんですか?」と聞かれましたので。

 


「いや、本来ならこんくらいの傾斜は走る坂ですよ。」と答えた。

 


そしたらかんくろーさん、走り出して行った。

 

 

公園の先の40kmマットを踏みに行くっていうし、坂を走るし、この時かすかに「もしや?」とは思ったけれど、まさか本当に最後まで行くとは……。

 

 

 

かんくろーさんが走り去っていってから、レイさんと歩きながら話しました。

 


ガ「体調どうですか?」

 

レイさん「胃腸がやられてる」

 

ガ「それ知ってる。」

なんせ日付が変わるまで一緒に飲んでいたもんですから。

 

 

レイさんは故障とかは大丈夫そうなので、完走するつもりで乗り込んできているはずなのです。


でも、自分が感じているであろうのと同じようなこの胃腸の状態で100kmはいくらなんでもキツイぜよ。と思っていたんですが、きっちり完走なさっていたからこれまたビックリなわけですよ。

相当根性が座っていないとこんな胃腸で完走なんてできないですよ普通。

 

 

 

結局、強靭なメンタルの二人を見送る形で、北麓公園でDNFした自分っていったいなんなんだろう、ということも感じつつだったのですが、まさか自分のDNFが役に立つ展開にこの後なろうとは思いませんでした。

 


結果的にいうと予定通りのDNFで正解だったのです。

そういう役割だったのですよ今回は、ってことでした。

 

 


 

負傷さきこ運び屋救急車、みやみ応援サポート編につづく。

 

 

 

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