去年の年末に観た『ローグ・ワン スターウォーズ・ストーリー』の中で描かれた同胞のために自ら犠牲になり、戦いに挑んでいく兵士達の姿は切なく涙を誘いました。
1970年代の戦争大作『ミッドウェイ』(1976年)は、1941年の日本軍による真珠湾奇襲攻撃を発端とした太平洋戦争緒戦で劣勢に立たされていたアメリカが大勝利を収めていく過程を描いています。そこにはやはり自らを犠牲にして国の未来を切り開きたいという兵士達のの思いが随所に描かれていました。
国力の彼我の差をアメリカ赴任等の経験から身を持って認識していた山本五十六連合艦隊司令長官(三船敏郎)の短期決戦講和への道は、ミッドウェイ海戦の敗北で遥かに遠のき、日本は敗戦への道をひた走ることになります。
映画で強調されていたのは、各局面の司令官による判断の正否が戦況に与える影響が大きいことはもとより、日米の情報収集・分析能力に大きな差があったことです。アメリカ側が的確に情報を収集・分析し作戦を遂行していくのに対して日本側では推測や希望的観測が致命傷になっていきます。
アメリカ映画とは言え人間ドラマ部分はアメリカ側だけになっていて、マシュー・ガース大佐(チャールトン・ヘストン)と息子のトム(エドワード・アルバート)の親子関係、トムがハワイで出会った日本人女性との結婚に悩む様子が描かれます。
息子に相談を持ち掛けられたガース大佐は「真珠湾の後だけにタイミングが悪すぎる」と慎重に行動するようにトムに言い含める一方で、相手の素性調査も進めます。ただ、息子と相手の女性に対する思いやりが感じられて温かな気持ちにさせられます。それだけにラストは辛かったです。
『パールハーバー』(2001年)もそうですが、戦争映画では恋愛模様も欠かせないことが多いですね。『パールハーバー』のレイフ(ベン・アフレック)、ダニー(ジョシュ・ハートネット)、イヴリン(ケイト・ベッキンセイル)の三角関係は賛否両輪ありました。
ミッドウェイ海戦の詳細は↓が参考になります。
どうして今また、この映画を観たいと思ったかと言いますと、去年の12月に『太平洋戦争を読み直す』(保坂正康 PHP文庫)を読んだからです。この本は、現存する関係資料はもとより、実際に太平洋戦争に参加した方々から真実を聞き出す地道な取材を元に書かれています。
この本を読んでいて、太平洋戦争をいかに知らないかを痛感させられました。
引き続き、「日本軍の失敗から何を学ぶか」をテーマに書かれた『失敗の本質』(中央公論新社)を読んでいる最中です。この本には、以下の6つの研究事例が挙げられています。
・ノモンハン事件
・ミッドウェイ作戦
・ガダルカナル作戦
・インパール作戦
・レイテ海戦
・沖縄戦
どんなに戦争映画を観ようとも、関連する小説や本を読もうとも戦争の真実を知ることはなかなかできないと思いますが、間違った歴史観を少しでも修正できたらとも思います。
ミッドウェイ (1976年 アメリカ)
監督 ジャック・スマイト
脚本 ドナルド・S・サンフォード
出演 三船敏郎(声:ポール・フリーズ) ジェームズ・繁田 パット・モリタ ジョン・フジオカ
ロバート・イトー チャールトン・ヘストン ヘンリー・フォンダ グレン・フォード グレート・ウェバー ロバート・ミッチャム ジェームズ・コパーン ほか
この謎の映画(?)も観てみたい。
『Battle of Midway』