サンドラ・ブロック主演の映画『ザ・インターネット』がアメリカで公開されたのは1995年。日本でも1996年に公開されました。当時は一般にインターネットが普及し始めた時期で、この映画が訴えたインターネットの危険な側面は半ば絵空事に様に受け止められたかもしれませんが、今では誰の身にも起こり得るという怖さを感じます。
自分の全ての情報が何者かによって把握され、こともあろうか書き換えられ、存在を乗っ取られるという恐怖。
オリバー・ストーン監督の映画『スノーデン』は実話に基づいており、アメリカ国家安全保障局(NSA)による個人情報収集の内幕が描かれています。
この事実はブッシュ政権もオバマ政権も機密化していましたが、元CIA及びNSAの元局員エドワード・スノーデンが2013年6月にイギリスのガーディアン誌を通して告発し世の中に広く知れ渡りました。
『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003年)に出てくる警察庁が設置した監視カメラシステムでも指摘されたプライバシーの侵害。NSAによるそれははるかに高度化されかつ規模が大きく、世界レベルの個人情報収集と利用がなされる様には戦慄します。
映画では、スノーデンが当の組織に属して恐ろしい事実を目の当たりにし、恋人との幸せな生活も高額報酬のキャリアも全て投げ打って信念を貫き通そうとする姿が描かれています。
事実に基づく映画ですが、ドキュメンタリータッチというより主人公のスノーデン(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)と恋人リンゼイ・ミルズ(シャイリーン・ウッドリー)との関係を中心に彼の日常の描写にも時間を割き、人間ドラマの要素もしっかり盛り込んでいたように感じました。
NSAによる手当たり次第の個人情報収集にも驚かされますが、中国のサイバー攻撃に対抗するためにアメリカが予想以上に多額の予算を計上していることも劇中のセリフで触れていて、これではもう戦争と変わりないでしょうと思ってしまいます。
日経新聞によるとアメリカの2017年会計年度(16年10月~17年㋈)のサイバー攻撃の対策費は190億ドル(約2兆2千億円)とのこと。
銃弾やミサイルは飛び交わないサイバー空間で日々激しい闘いが繰り広げられているという事実の一旦をこの映画では垣間見ることができます。
ちなみにニコラス・ケイジが脇役で演技しているところを初めて見た気がします。
スノーデン (2016年 アメリカ)
監督 オリバー・ストーン
脚本 キーラン・フィッツジェラルド オリバー・ストーン
出演 ジョセフ・ゴードン=レヴィット シャイリーン・ウッドリー メリッサ・レオ
ザカリー・クイント トム・ウィルキンソン スコット・イーストウッド リス・エヴァンス
ニコラス・ケイジ
