マグニフィセント・セブン | MAKOTOのMovie Station ~マコたにのブログ~

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鹿児島出身で今は横浜に住んでいます。映画が大好きで、ジャンルを問わず観てます。映画の話題が多いですが、本を読むのも好きなのでその感想記事や散策した時の様子も載せたりしています。
よろしくお願いします。

黒澤明監督の『七人の侍』(1954年)、そのハリウッド・リメイク版『荒野の七人』(1960年)のDNAを引き継いだ本格西部劇が誕生!

原作は『七人の侍』となっている『マグニフィセント・セブン』。

 

 
 

南北戦争の傷がまだ癒えない1879年。

開拓者達が苦労の末築きあげてきたアメリカ西部の町ローズ・クリークは、冷酷な資本家バーソロミュー・ボーグ(ピーター・サースガード)により土地の全てを奪われようとしていました。

強力な軍勢を持つボーグの横暴に町の人々はなすすべもありません。

そんな中、ボーグの銃弾に夫の命を奪われたエマ(ヘイリー・ベネット)は、一念発起してアマドールシティで出会った保安官サム・チザム(デンゼル・ワシントン)に町の全財産を元手にボーグ撃退を依頼します。

エマの依頼を受けたチザムは旧知の凄腕等七人の精鋭を中核に、ローズの町の男達を即席で調練しボーグの軍勢撃退を企図します。

 

マグニフィセント・セブンの面々は以下のとおり。

みごとにキャラクターの設定に成功していると思います。

賞金稼ぎ サム・チザム(デンゼル・ワシントン)

ギャンブラー ジョシュ・ファラデー(クリス・プラット)

スナイパー グッドナイト・ロビンショー(イーサン・ホーク)

暗殺者 ビリー・ロックス(イ・ビョンホン)

ハンター ジャック・ホーン(ヴィンセント・ドノフリオ)

流れ者 バスケス(マヌエル・ガリシア・ルルフォ)

孤高のインディアン戦士 レッド・ハーベスト(マーティン・センズメアー)

 

七人のチームが出来上がる過程では、一触即発の緊張感が漂いますが、チザムのリーダーシップでチームとしての信頼関係を築いていきます。

チザムにとってのボーグは、単に依頼された標的以上に深い因縁があり、是が非でも倒さなければならない存在です。今回の依頼に対する報酬は受け取らなくてもいいとさえ思っています。

一見弱点を見出せないと思われた七人でしたが、スナイパーのグッドナイトは南北戦争であまりに多くの敵を殺してきたトラウマから、人に銃を向けることができなくなっています。

決戦の前夜、彼は戦線離脱してしまいます。

 

チザム達の先制攻撃に激怒したボーグは、圧倒的な勢力で町を一気につぶしにかかります。

 

「多勢に無勢」、不利な状況をアイデアを駆使して形成逆転していく痛快さが特に際立つ作品です。

『七人の侍』の志村喬さん、『荒野の七人』のユル・ブリンナーの役柄を今作では、デンゼル・ワシントンが冷静沈着なリーダーを演じています。それに早打ちがとにかくかっこいいい。

彼が演じたチザムが画面に登場すると周りの空気が一変して物凄い緊張感に包まれます。

これだけでも相当強烈なキャラクターなのに、プレイボーイ風だが凄腕のガンマンのジョシュ、暗殺者の異名がぴったりの危険な空気を醸し出すビリーなど、キャラクター分けもはっきりしていて魅力的なチームが出来上がっていました。

ヘイリー・ベネットが闘う女を好演。

 

『荒野の七人』みたいに続編ができるといいのにと期待したくなる作品でした。

 

マグニフィセント・セブン (2016年 アメリカ)

公式サイト

監督 アントワーン・フークア

脚本 ニック・ピゾラット トッド・ブラック

出演 デンゼル・ワシントン クリス・プラット イーサン・ホーク ヴィンセント・ドノフリオ

マヌエル・ガルシア・ルルフォ マーティン・センズメアー 

ヘイリー・ベネット ピーター・サースガード ルーク・グリメス ほか