おととい来やがれ! -70ページ目

スジは通せ

東電の津波発生4時間後にはメルトダウンが始まってたって発表、正直、やっぱりな。ってカンジです。

職場の復旧作業に一週間かかったり、停電や生活必需品の供給不足やら、一応俺も“被災”はした。ただ、そこまで甚大な被害を受けたわけでは無い自分なんかが、あの地震のあとテレビやネットで流れるニュースで気になってたのは、死者・行方不明者の数とか壊滅的な街の映像なんかの「結果」ではなく、今後発生しうる二次的な災害やった。

原発の被害状況がレベル5まで引き上げられた辺りから「メルトダウン」という言葉を色んなとこで耳にするようになった。素人の俺でも聞いた事のある、相当ヤバい状況。職場で同僚とメルトダウンについて調べた。そこに載ってたのは「原発事故で想定される最悪の状態」という言葉・・・。

「建屋が爆発したという福島第一原発1号機の、(一部省略)原子炉の水位は、1つはダウンスケール(メモリの下まで振り切れている状態)、もうひとつは燃料の上部から-1750mmのところ(燃料棒が冷却水から1m75cm露出している)。」
↑ 3月13日の毎○新聞の記事だが、この時すでにマスコミの関心は危機的状況だった3号機にウェイトが占められていて、確認出来ている被害や放射線量が3号機よりはマシだった1号機に関しては「今はまだ問題ないので落ち着いて」的な報道が多かったと思う。

ただ、各メディアが上記の1号機の状況を発表した時、俺は、否、この俺ですら強い違和感を憶えた。
「・・・・・・これ、めっちゃ危機的状況やん」って。こんなけ燃料棒がむき出しになってる状態で、小康状態を保っているっていうのが理解できなかった。

でも今にして思えば、この発表の時点ですでに燃料が溶解して落下していて、圧力容器の底部で水に浸かってたから、水位が低くてもその状態を保てたのだと。

ということは、(これはあくまでの俺個人の考えやけど)東電や保安院はこの時点ですでに、この最悪の状態を想定出来ていたんではないか?だって「このくらい燃料棒が露出したら、このくらいの放射線量になるんじゃないか」という予想値は当然導き出せたはずだし、そのギャップにも気付いていたと思う。

実際、“底部に落下した燃料棒が圧力容器の一部を溶かして穴を開けた”という事態を引き起こしているのだから、「確認できていない事象をいたずらに公開してパニックを招く事を避けたかった」みたいな理由じゃぁ理由にならいよね。わかってたんなら、手の打ち様だってあったわけやから。

もっと言うと

3号機で命がけの放水活動を行ったハイパーレスキュー隊の皆さんは、放射線の被害規模の点から言っても1号機から“目と鼻の先”にある場所で、いわば“もう一つのメルトダウン”と隣り合わせで活動してたって事になる。今も現場で作業に当たっている作業員の方たちも、昨日まで、超危険な状況に“知らずに”さらされ続けてたって事になる。

これは「フェアじゃない」ってレベルの話じゃないよな。

今日、ハイパーレスキュー隊のあの時の放水活動のドキュメント番組がやってたんやけど、改めて凄い任務やったんやって思った。尊敬、感謝、感動・・・・・・そんなもんではないな。

どこまでの情報を公開するべきなのか?とか、判断難しいと思うけど、あの決死の活動を無駄にするようなマネは絶対やめてもらいたい。って強く思った。

スジは通せよ、スジは!