バイクを運転する際に、道路の凸凹な路面からの衝撃を緩和し、加減速時など安定した走行姿勢を支援する「緩衝装置」サスペンションはとっても重要な箇所です!
仕組みは、オイルがサスペンション内部を循環することにより通路の大きさやオイルの粘度により抵抗が生まれます。これが外部からの大きな力「衝撃」を吸収する「減衰」という力が発生するんです。
エンジンオイル同様にサスペンションオイルは劣化して汚れますので、性能も低下するというわけです。またサスペンションが伸縮し動く部分にはオイルシールが組み込まれており、劣化してくるとヒビ割れを起こし内部のオイルが漏れてきます。
では、消耗した部品やオイルを交換するために分解し洗浄後に、調整しながら組み付けていくことを「オーバーホール」といいます。今回の作業がまさにそうです(^^)
車両から二本のフロントフォークを脱着しカワサキの「専用工具」を用いて分解していきます。ここまでに費やした作業時間は約一時間前後かかります。
こびりついた汚れの油分をキレイに洗浄した後は、各部品をしっかり乾燥させないといけません。季節や気温によってですが、だいたい乾燥させるのに三時間以上かかります。フレッシュな状態で組み付けないと混じりっ気のあるオイル成分となり性能にも影響してしまうんですね。
ここから組み付けとなるのですが、ついでなのでオーナー様の好みを取り入れて組み付け調整していきます(^^)ラーメン屋さんに例えると「麺の種類や固さ」や「トッピングの変更」によって自分好みのラーメンをチョイスしますよね?そんな風に捉えてもらえると分かりやすいかな♫
組み付けたら規定量のサスペンションオイルを注入し、内部に溜まっている「空気」を抜いていきます。その後サスペンション内のエアー反力とオイル量のバランス「油面」を計り調整する専用工具「オイルレベルゲージ」を使います。今回は柔らかい特性を出すべく少し油面を下げました。
約半日かけて組み上がり完成したわけですが、本来ならもっと妥協できる作業過程もあります…でも地味で目立たない作業の積み重ねにより、お客様の満足へと繋がると信じていますので性格的にも妥協できません(笑)