日本一の無責任男 ~Ⅱ~ | エムズサウンドギャラリー

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植木等さんが役どころに反して、実に生真面目で
几帳面な人柄であったことは有名です。だからこそ
あれだけいい加減な男、平等(たいらひとし)を
きちんと描き、表現できたのではないかと思います。
無責任男は本当に無責任な言動が多いのですが、
上司や、権威を振りかざす者に対しては、見事なほど
力を発揮し、本質論を繰り広げ、あっさりと辞めてしまい、
「そのうちナントカなるだろう」ということになります。
1960年代、東京オリンピックの前後の高度成長期と
呼ばれた、希望に満ちた社会の中で、生き生きと、
伸び伸びと自由を謳歌し、女の子たちにモテモテで、
最後は自分の言動に全責任を負う無責任男は、
とても潔く、カッコイイのです。
黒澤監督に『乱』で呼ばれて一緒に仕事をしているとき、
監督がなかなかうまく行かないねえ、と愚痴をこぼすので
「甘ったれたことを言ってはいけない。最高のスタッフを
集め、好きなことをやっているんだから」と一喝したと
いうのだから、気持ちいいですね。ただその植木さんの言葉、
「やりたいことと、やらなければならないことは別」
というのは、ちとほろ苦い感じがします。