今月5日、外務省の外交上機密情報を含む公電をやりとりするシステムが、中国がサイバー攻撃をしかけてきたと報道された。
外交公電とは、大使館と領事館と本国でやりとりをする機密メッセージシステムで、国際IP-VPNを通して通信されており、通常のインターネット回線では、やりとりできない仕組みになっている。
しかし、今回のこのサイバー攻撃によって、公電のやりとりの内容が中国に漏れていたとされている。
どこまでこの情報が漏洩したのか、どれくらいの規模なのかは明かされてはいない。
実は、2020年にもこのような疑惑がもたれていて、米国家安全保障局長らが日本に来日し、日本政府に「中国から、日本の在外公館のネットワークが見られている」と忠告を受けていたのにも関わらずだ。
日本の国家安全にも関わるにもかかわらず、日本のセキュリティ対する対策の甘さは、はっきり言って最低レベルだ。
数年前に、国会議員通しの公務を含むやり取りがLINE上で行われており、韓国に置かれているサーバー(これもどうかと思うが・・・)に中国から自由に閲覧できる状態にさえなっていた。
以後、政治上のやり取りをLINEで行うことは禁止されるようになったが、機密情報を扱うことさえあるのに、そんなことさえ国会議員はわからないのかと正直呆れる。
日本は、「技術の国」とは昔の美徳を未だに抱き続けている割には、国内の安全対策は、まるで発展途上だ。
「国家の安全」は、現在どころか、今後の未来に日本にも大きく関係することなのに、報道やネットニュースでさえ、雑談のように政治家の「裏金問題」をだらだらしていたり、「~が不倫」だの、「訪日客に受けるお店・品」など、チープなネタにたくさんな時間を費やしている状態だ。
SNSの発展より、セキリュティに関しては、重点をおかなければならない事柄なのに、日本はこの課題にはどうも消極的である。SNSにおいてのセキュリティの甘さは、日本だけでなく、アメリカも欧州ほど厳しくない。
仕方ない。彼らの商売が、アメリカ経済を支えるのだから厳しく言えない部分があるのだろう。
SNSの影響によって自殺した十代の遺族が集まる中、GAFA含むプラットフォーム業界の公聴会が先日アメリカで行われ、メタ(旧Facebook)CEOのマーク・ザッカーバーグが、遺族に謝罪を述べる姿が報道されたが、11月大統領選挙が控える今でも、何かと対策をとるコメントはしている様子があるものの、そこまで、サイバーセキュリティに厳しくしていない様子である。
民主国家とはいえ、資本主義のアメリカだ。金を生むものには文句も言えない。ダブルスタンダードの結果である。
我が国のレベルは、それ以上に、まさに平和ボケの「病気」にまで達している。
しかも、もうステージ4までたどり着いているのではないかとさえも思える。
日本にもたくさん優秀なITエンジニアがいるのにもかかわらず、未だにサイバーアタックによる個人情報の漏洩も頻繁に起こっているし、個人情報を持ち出し事件も多発している。それなのに特に動きもなく、ただニュースでチラッと取り上げたり、ネットニュースで数件書かれたくらいで終わっているようにさえ思える。
「個人情報取り扱いには厳しくしている」宣言文をよく見かけるが、なぜこんなに頻繁にいまだに個人情報の漏洩が起こるのか・・・これは、日本国民の緩みからきすぎた病気レベルの「平和ボケ」としか思えない。
これが、どんなに恐ろしいことなのか、危険なことなのかを自覚していないケースが大半だからだ。盗まれた情報がどのように使われているのか知らないし、「自分は大丈夫と」さえ思っている慢性な自信の病気にかかっている。だから取り扱い企業も政府も無関心にさえ思える。AIによるセキュリティ強化も、EUほど日本は真剣に取り組んでいる姿勢はみえてこない。
個人情報の漏洩は、今や日本国内のみで行われている時代ではなくなっているにもかかわらずだ。
昔の卒業アルバムの後ろについていた住所録を売るレベルではもうないのだ。
「国家安全」を唄うならば、もっとセイキュリティ強化に力をかけるべきではないだろうか。
我が国は、法律上武器による攻撃はできない。しかし、ディフェンス力まで劣化してしまうなら、日本の未来はあるのか。
インターネットが普及した今、戦争で武器をもつことだけが、攻撃ではないのだ。
明るい未来形成のためにも、もっと「防御」に力をいれること、それでなければ日本の未来は明るくない。
ステフ姉
