入院中のことだけど、風呂の温度がかなり違う。

A君が入ったあとは推定45度位で熱い。
A君、現代と違う生き方してる。
我関せずというか、この世離れしている。
日焼けしていて、ほとんど喋らない。

ある時、外出許可が出て、お母さんと
食事するらしい。
とても良い顔をしていた。
いくつになってもお母さんはいいな。
味方である。

Bおじさん。
なんだか、いつも終わり際に湯をかき出してる。
なにしてんだかわからんが、あとの湯は熱い。推定44~45度。
おじさんになると皮膚の温度が鈍くなり熱くなるという。

ある時、一緒に風呂になった。
それで疑問が解決した。
C君が髪の毛長いのに気にしないで
湯船に入っていてそこら中、髪の毛が残るらしい。
C君は何故散髪しないのかなと角刈りのおじさんは言ってた。

C君のいいとこ、一つ見つけた。
体を洗い、普通ならシャワーで流すところ
風呂桶で流していた。
風流というか親御さんに習ったのだろうと推測していた。
なんだか好きだった。

Bのおちゃん声が大きい。耳が悪いのだろう。
湯船の中の会話はチグハグだった。

おっちゃんは、次の人のためにC君の髪を流してる。
おっちゃん自身、きれい好きなのだろう。

話ししてから、風呂の温度が普通になった。
でも、おっちゃんは続けていた。