先日、上高地へ行ってまいりました。


私は、修学旅行や小さい頃の家族旅行をのぞけば、国内より海外旅行のほうが多く行っていると思います。


学生時代は、「国内旅行は大人になってからでもいけるから、時間のある今だからこそ行ける世界へ遠出したい」という気持ちでいっぱいだったのです。


まして、世界史を必死に勉強したばかりだし、図説でみた世界を自分の目で見たくて見たくて、好奇心にあふれる年頃。




でも、世界中のどんなに素敵な街を訪れても、日本に帰ってくるとやっぱりほっとします。


ご飯もおいしくて、キレイで、安全で。。。




日本の素晴らしさのひとつには、四季が豊かであることがあげられます。


初めて訪れた上高地はそんな季節の移り変わりを肌で感じ、「日本て素晴らしいな」、と実感できた小旅行でした。




松本に2泊し、1日は上高地へ、2日目は松本で過ごしました。


車で行ったのですが、深夜に途中で降りた八ヶ岳のサービスエリアで感じた初冬の冷たい空気は、寒かったけれど、東京では感じられないきれいな空気でした。


なんにもお店もやっていなくて、誰もいないサービスエリアでただ冷たい風にあたって休憩しただけでしたが、かえってそれがよくて、なんだかとても心が安らぎました。




着いた翌朝、松本から上高地まではバスで行きましたが、バスで上に登るまでの道すがらも大変きれいな紅葉でした。


でも私達はきれいだったのに前日ホテルに着いたのが深夜遅くだったので睡眠不足で、バスの中で紅葉をほとんど見ずに寝てしまいました。



今考えると、とても贅沢な行為だったように思います。


上高地に行くのにあわせて、上高地が舞台になっている井上靖の「氷壁」を読んでおりましたが、そこにこんなような箇所が出てきます。



「2回行ったことがあるのだが十和田湖着くまでの奥入瀬のバスの中では2回とも寝てしまってあまり景色を見ていない」


「それはもったいない」と、そのあたりの出身の人がいうのですが、寝てしまった彼に言わせれば、普段の睡眠というのは仕事で疲れて寝るだけでずいぶん貧しい眠りなのだそう。


奥入瀬で、ふと起きた時に緑の木々を見たり、次に起きた時は栃の木を見たり、そんな風にして眠るのはとても満たされた気持ちになるのだと。


そう聞くと、私も確かに同じことをしたと思い、満たされた気持ちになったものです。


                                                             ・・・つづく。