目まぐるしく変化する経済情勢の中、企業も生き残りをかけて様々なサービスを考案しています。
この一例といえるのが、このほど、流通大手のイオンが、自社のカード保有者に対して始めた、葬儀の際の僧侶紹介サービスです。そして今、物議を醸しているのが、その中で同社が行っている、「お布施」の目安の明示です。
本来、「お布施」というものは、寺と檀家との付き合いの中で決まっていくものであり、その決定のプロセスは、需要と供給のバランスにより決定される営利企業の商品のそれとは全く異なります。そのため、目安を明示してしまうと事実上、宗教行為に関して「定価」が設定されてしまうことになり、宗教関係者の反論を呼んでいます。
確かに、読経・戒名等を寺の行うサービスと捉え、それに「定価」のようなものを設定することには違和感があります。
しかし、寺から「お気持ちで結構です」と言われ、いくら包めばいいのか全く分からない、といった消費者の不安を解消するような同社の行為も、サービスを提供する一事業者としての立場を鑑みると理解できなくはありません。
我々の業界においても、我々の提供するサービスに対する報酬の決定プロセスが不明瞭、とのお客様の声をよく耳にしますが、全くその通りです。
しかし、本来、我々の行っているサービスに関しては、宗教行為とは違い、報酬の決定プロセスを明確にすることができるはずです。
つまり、我々のサービスに対する報酬は、時間単価(その業務を行う者の経験・能力によって異なる)に一つの契約について要するであろう工数を乗じて計算されるのが通常です。
これら「時間単価」・「工数」という二つの要素に関して、お客様に十分な説明を行えば、サービス受領者としてのお客様の不安心理を低減することができるはずではないでしょうか。
そして、そのためには何より、お客様に喜んでいただけるような質の高いサービスを提供すべく、我々自身、常に自己研鑽を図る必要があると考えております。
お布施からサービスの価値について考えさせられた1日でした。
原田公認会計士事務所
