金太に電話をすると、よっぽど日本食が恋しかったんだろう、遊びよりも先ずは食。「食事はどうするの?」と先に聞いて来たので、僕が編集の人に聞いて、金太も同席していいかを聞いたところ、すんなりOKが出た。という事で、金太の願望は無事叶った。サントリーは高いので、金太のおすすめのところの和食レストランに出向き、みんなで金太にイタリア写真界事情を聞いた。金太はイタリア食品会社のバリラというパスタのパッケージングを撮ったり、モデルの撮影の仕事もちらほらしていた。何年か前まで、日本で一緒に遊んでいた人間が、イタリアで既に活躍しているというのは、いつもながらに羨ましいし、自分でも出来るんじゃないかと思うが、いざ自分が日本を離れて外国に来てやるというのが現実的に心が動かなかった。僕は日本では恵まれすぎる位に恵まれていたし、満足していた。今を思えば向上心が欠けていただけなんだけど、、。金太の止まらないトークを聞きながら、ふと思い出した。「そうだ!イタリアのロケ足くんに電話だ。」そう思った僕はレストランから電話をして、ホテルで待ち合わせする事を決め、また、普通に席に戻った。いつもの調子でお酒のオンザロックを連続してグイグイ飲んでいると、お店の主人がこちらを見て合図をして来た。お決まりの合図。僕たちは何故かお酒を飲んで食事をすると大体最後の客になってしまう。そして、「そろそろ行きますか~」テな調子で店を出る時には、いい感じを少し超えて、とってもいい感じになる事がしばしば。何処の国に行ってもこの調子だから、食事もしっかり頂くが、お酒は日増しに強くなって行って、そのお陰で僕の身体はお相撲さんの舞の海みたいな体型に成っていった。それは置いといて、金太に合図すると、「オレ帰る、、。」、ぼくは「ど、ど、どうしたの??」と聞くと「酔っちゃったよ~」という事、。寂しかったが。泥酔している人間を介護するほど大変な事は身をもって知っているので、「判った!明日電話するよ~」と言って金太の千鳥足の後ろ姿をある程度の距離感まで見届けて、スタッフと一緒にタクシーでホテルに素直に帰った。すると、見慣れた顔がロビーに居た、イタリア人のロケ足くんだった。ぼくはスタッフに明日の打ち合わせと称して、ちょっと話してから、という事でみんなとは別れた。皆もそこそこ酔っていたし、眠そうだったので、僕に対してもそんなに意識も無くあっさり「お休みなさ~い」と言って別れた。彼は僕に「どこか行きたいところあるか?」と質問して来た。ぼくは「ごめんなさい、だいぶ待ったでしょう」と聞いたが、彼は大きなジェスチャーで「ぜんぜん!!」と気にもしてない素振りだった。ぼくがとりあえず「どこか外に行きたい」と言うと、彼は「車で来てるから、町をドライブしよう!」と提案して来た。車はアルファの古い小型車だったが、もちろん、ミッションだった。彼は安全運転だったが、かなりのスピード狂らしく、酔っているぼくにはちょうどいい感じで、もよおして来て。彼に「ごめん」と言って、道ばたでおもっきり吐いてしまった。ぼくは飲み過ぎると吐く癖があって、吐くとまたスッキリするたちなので、まるでリセットされた気分に成り。彼に「どこか良い音鳴らす、クラブ行こうと誘った」彼はいくつかの候補をぼくに提案してくれたが、彼にまかして、また彼のクイックなドライブでそのクラブに向かった。