台風10号が日本縦断の進路をとるという予報が出ておりますなか、昨日は近所で花火大会が2か所、合計13,000発の花火が打ちあがったようです。20時頃に近距離からの「ド~ン」という「雷鳴」のような腹に響く音が鳴ったと思ったら「夜空に咲く大輪の花」でありました。更に本日は近所の商店街 恒例の屋台が20軒ほど出る「お祭り」とイベント的には「夏も終焉」といった感じです。人込みは苦手なのもあり今回は不参加ではありますが「コロナ禍」からは「完全復活」を感じた瞬間でもあります。台風&南海トラフ地震と油断はできませんのでどうか皆様におかれましても「安全対策」をお願いいたします。

 

※鬼門の「オイルフィラーボルト」この車種はなぜかT55のトルクス ひょっとして 

   交換履歴ありかも...しかし本当に回りませんでした。

 

今回のお題、
「320i さん「禁断のATF交換」の行く末はどうなったの?」こと BMW E91 320i さんはユーザー車検受験前の車両不具合発覚で「車検中止」→「車両処分」となり、「その処遇については私に一任」となり「車両譲渡」という形になりました。しかしながら即「解体」はもったいないというか今回の「AT異音」「ハンドルが重ステ」が「フルード劣化」によるものかどうかの原因追及を「不動車覚悟」で実施したいと考えます。

 

BMWさんは「ATF無交換推奨」というお話を時折耳にしていますが、実際10万キロ無交換の場合は車の走りはどうなのかが気になっておりましたところ、今回の320i さんは走行距離が13万キロを優に超えた車両でありその走りは「駆け抜ける喜び」とは程遠いお世辞にも「機敏なスポーツ車」ではありません。だからこそ「ATフルード劣化前の車両が体感したい」のが本音で自分の予想はその「もっさもさの根源」が「ATF劣化によるものである」と考えて止みませんことから今回の「人柱作業?」となりました! 車の素性はとても良い「ドイツ車のカッチリ感」はさすがにBMW、Audi車よりもボディ剛性は高い印象です。だからこそ「走りっぷりも良いはず」が真逆となっているのが残念で仕方ありません。前置きが長くなりました...

 

※エンジンオイル漏れ アンダーカバーは3分割

 

フェーズ1.

☆資料&部材集め☆

このATは「ZF社製」と今回触るのは恐らく初めてです。トルコン車は乗り継いだオペル車はもちろん、ボルボ車含め全て「アイシン製」なのでどれも「交換推奨」で基本「下から抜いて上から入れる」を数回繰り返して終了と「極端な走りの劣化」はありませんが「ATF交換後」は「すこぶる快調」で「気持ち良い走りの復活」を体感できるのが個人的実体験の「ATF交換」であります。この車種採用のATFの詳しい情報が探せませんでしたが、Dexron 6 相当らしいが確証が取れないため、純正は「ATF2」との記載でしたがデータシートも見つからず、同じ車種での使用実績で見かけたのが下記のATF「全合成油」で一番コスパが良かった製品です。「Dexron 6」は「JASO 1A-LV」ならば適合があるらしく、「AISIN AFG」「Wako's ATF S-S」も候補に上がりましたが20L/40,000円オーバーです。

 

以下自分が使用した部材

①ATFフルード:SUNOCO(スノコ)MARVIC FULL SYNTHETIC ATF 20Lペール缶

②ATオイルパン:最安のSOL社の製品

③パワステフルード:純正相当はATF/Dexron2Dのようなので手元にあるDexron3の

          ATFを流用します。※ペール管に5L以上残っています...

④ATFを入れるポンプ他

 ・水道製品に形状的にとても良いステンレス製のフレキシブルのパイプがあり流用

 ・ポンプは電動ドリルポンプをチョイス

 ・ホース類は切り売りで用意 1m/吸い込み用(耐油) 1.5m/放出用(耐油シリコン)

合計:約30,000円

 

※アンダーカバーは3分割 樹脂製のATオイルパン

※その前部分/オイル漏れあり

※抜けた一回目のATF 色も臭いも強烈劣化具合です!

 

フェーズ2.

☆いざ作業開始☆

連日本当に暑い中の作業ですが、車の下はさすがに涼しいとは言え「狭い 危険」な場所に違いありませんので別の意味で気が抜けません。安全対策はしておりますが、天変地異で「ぺしゃんこ」なんてことも無きにしも非ずと言ったところです。いいわけではありますが「作業途中の画像」がほとんどご用意できませんことご容赦下さい。

★作業内容 1日目★

①リフトアップ&馬掛け&敷板で安全確保

②アンダーカバー取外し

③ATのフィラーボルト(AT挿入口)を緩める/これが意外と大変 自分のフィラーボルト

 は「8mmのヘックス」との書き込みが多い中、今回の車種は「T55のトルクス」で

 した恐らくはL型のレンチでなければ作業不可

④禁断のATF抜き/下抜きで5.8L 抜けました/1回目 

⑤ATオイルパン取外し&クリーニング

⑥オイルパン再装着 

⑦禁断のATF注入/側面より4L エンジン掛けて追加で1L エンジン始動/循環 

⑧禁断のATF抜き/ドレンより約4L弱 /2回目

⑨オイルパンを新品に交換 

⑩禁断のATF注入/側面より4L エンジン掛けて循環作業でトラブル発生...

 ギアが入ったり入らなかったり 入っても「ゴン」と大きな振動 メーターパネに

 「歯車!」マーク出現 万事休す? 本日の作業は一旦終了

 

※外したオイルパン 中央左右の丸い部分がマグネット 後方が一体型ストレーナー

※今回NGな新品のオイルパン 素材は悪くないがストレーナーの径が太い

※安かろう悪かろうの典型 整形のバリが放置...

※綺麗に装着後のアクシデントは厳しいです...

 

フェーズ3.

初回交換後のインプレッションはすこぶる良い感じでしたが、オイルパンを交換した後にトラブル発生、「オイルパン装着時」ストレーナーのパイプが入らず数回チャレンジ、目視での確認が出来なかったのは言い訳ではありますが、しっかりと押さえてボルト締め、トルクは10NMできっちりトルク管理 ボルトも24本あり上向きでの作業なので筋肉痛が残ります!(笑) ここで諦めず元々のオイルパンに戻しリトライで不具合が解消しなければ「作業失敗」と「お疲れ様...」なのですがその前に「悪あがき」で汚名返上となるのでしょうか?

 

※18:00で随分暗くなります 初日タイムアップ

 

★作業内容 2日目★

①リフトアップ&安全確保

②禁断のATF抜き/ドレンより約4L弱 /3回目

③ATオイルパン取外し&再装着/24本きっちり締め付け

④禁断のATF注入/側面より4L 

⑤エンジン始動 いざ「P」→「R」へ切り替えスムーズに入ります。異音なし

   待つこと15秒 ここでエンジン停止 追加でATFを溢れるまで(約1L)注入

⑥エンジン再始動「P→R」「R」→「D」へ切り替えスムーズに入ります。異音なし      待つこと15秒

⑦「D」→「DS」へ切り替えスムーズに入ります。異音なし 待つこと15秒 

⑧来た手順の逆手順でギアを切り替え 循環終了 大成功です!

※「違和感の新しいオイルパンが原因」とはお粗末な結果でした...。

フェーズ3-1.

ATF交換の合間にパワステフルードを交換しました。回数は3回抜いて3回入れを実施、フルードに赤みが出たので一旦終了とし様子見、「大きな変化」は無いにせよ「若干の重ステ」と軽くなったのは事実なので「効果あり」とし「ランフラットタイヤを脱げばきっと「普通の重さ」になるような感じですので「結果オーライ」といたしましょう!

 

※今回拵えたATF注入器 この量で4.5L 威力は20秒ほどでフルードが溢れます!

※パワステのリザーバータンクのシール 「指定ATF」との記載

※かすかに赤みが残るパワステフルード(ATF)

※左:交換前のATF 中:4回目にあふれてきたATF 右:3回交換時のパワステフルード

  ATFはかなり赤いので機能的には充分でしょう!

 

フェーズ4.

☆試運転☆

この320i さんは排気量が2Lでパワーも156PS/NAなので決してパワフルな車ではありませんし車両重量が1.8tを超えるため「機敏な車」とは言えない「どっしりと走る」スペックです。しかしながらアクセルレスポンスが格段に良くなり、エンジンの回転が上がれば確実にスピードアップするようになりましたから「効果抜群」というより「元の走りに近づいた」という表現が正しいと思いますし、ATFが交換されていない同年代のBMW車は似たり寄ったりの「走らないBMW」であろう予想が恐らくは「真実」かもしれません...。しかしながらその裏を返せば、激安BMWを入手してATF交換してみるというのも楽しい車ライフですね!(個人的見解でありますことご容赦下さい。)大きな声では言えませんが個人的には「笑顔こぼれる変貌具合」となりました。

 

次回はATFのレベル調整でこの件は完了です!

 

Let's challenge !

See you Next !