


雪を掘って 掘り分けて 小道を開けたら シロタン とことこ散歩。足が濡れるのは嫌いなのにねえ!
おりおり
真輝く二月の陽光浴ビタミンとたっぷり浴びぬ午後のひととき
スコップで雪分け開けし細道に猫も出で来る春確かめに
1997-1998 一年生
近江京
蒲生野の船岡山に雅なる万葉人の幻を追う
大きロマン直に偲びぬ山頂の万葉歌碑の雄々しき文字に
蒲生野の青田吹きあぐ風薫るむらさき草の香り立ち来よ
大空を写す近江の海静か比叡の山の霧の間に間に
計らいの如くに霧の晴れ間より近江の海に湧く雲の見ゆ
寂しとも清しかりとも大友皇子の御陵に5月の雨降る
天秤楼(金沢)
牛蒡積み落とし積みなる石垣の上にぞ仰ぐ天秤楼
銘刻み積まれし石段聳え立つ天秤楼の静かな白壁
幾重にも堅固な守りくぐり来ぬ直なる階段天守へ登る
簡素なる禄山館に据えらるる熱き眼差し「女」の像は
米寿に近づきし父は耳遠くなりたるらしき声高になりぬ
我が夫を話し相手に老い父はほがらに話せす大き声にて
お互いの刃(やいば)時折り剥き出しに見せつつ装う寛容のポーズ
冷静のポーズを装い身に刺さる言葉いくつか娘と投げ合う
リフトなど乗りしことなき母乗せてお花畑の上揺られゆく
つづく