角川学芸出版の「短歌」に
特別企画で新年を祝う名歌100首選があり 10人の歌人が名歌を10首ずつあげている。好きな短歌が
幾つか合ったので 自分のお気に入りの短歌を抜き出してみた。
新しき年の初めの初春の今日降る雪のいや重(し)け吉事(よごと) 大伴家持
元日のけふ一日(ひとひ)のみ着物着る娘らのけはひ隣りにきこゆ 五味保義
かたちなき時間といへど一年がゆたけきままにわが前にあり 佐藤佐太郎
雪ふかき 睦月の森にこだませり。新(にひ)年をほぐ 父のかしは手 岡野弘彦
不尽(ふじ)の山れいろうとしてひさかたの天(てん)の一方におはしけるかも 北原白秋
羽子板に写楽 空には奴ゐて見得きりて睦月の華麗なるかな 今野寿美
元朝や馬に乗りたるここちしてわれは都の日本橋ゆく 与謝野晶子
ひむがしの朱(あけ)の八重ぐもゆ斑駒(ふちごま)に乗りて来(く)らしも年の若子(わくご)は
斉藤茂吉
あかつきの天(そら)よりわたる日の光あな忝じけな吾にとどきて 佐藤佐太郎
何となく、/今年はよい事あるごとし。/元日の朝、晴れて風無し。 石川啄木
昨年(こぞ)今年つらぬきわたるしろがねの一本の弦のひびきを消すな 斉藤 史
雪とけて樋を流るる水の影、もののはじめの明るさに満ち 高島 裕
素晴らしい歌ばかり 新年にあたっての 気持ちが隅々詠われていて豊な気持ちになれます。
素敵な企画ですね。100首の中からなので まだまだ たくさんありますが・・・・・・