利休にたずねよ・・・・山本兼一
抜粋・・・・・
死を賜る
天正19年2月28日 朝
京 聚楽第 利休屋敷 一畳半
抜粋
軸も花もなく 白木の薄板に 緑釉の香合が置いてある。
その前に すっと伸びた枝が一本。供えるように置いて横たえてある。木槿の枝である。今年は閏一月があったので、二月だが、もう若葉が芽吹いている。
あの女は その花を見て、無窮花(ムグンファ)だと教えた。
「なぜ、花のない枝を・・・・」
「木槿は高麗で、たいそう好まれるとか。花は冥土(めいど)で咲きましょう」・・・・
・・・・・・・・・
千利休の切腹の場面から 話が始まるこの本 ちょうど大河ドラマの「江」で 千利休が出てくる辺りから
とぼとぼ また読み返している。何回読んでも飽きないのは 茶の世界を 丁寧に書いているから。
槿や椿の花は 利休に愛され 何度も茶花として出てくる。
咲き具合など丁寧に書かれているので 成るほど 花ならば良いということではなく 花一つの咲き方で
何を言おうとしているのかもあるのだと 考えさせられる。
宋旦槿は白だとばかり思っていたが 白の底紅がそのようだ。
ほんとかなあ。