梅は香がいい。花の姿に気づかなくも香りには 気がついてあたりを見回すことがある。
長谷寺に行った折 入り口に白梅があり 高いところで 咲いていた。
そして 紀貫之の和歌がありました。
人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の香に にほひける
梅にまつわるお話で もう一つは 井上靖さんの「額田女王」です。大海人皇子(おおあまのみこ)が額田女王をお誘いになった頃が 観梅の宴です。
「四天王寺の境内の梅林がみごとな花をつけましたので、皇子さまはそれをお見せしたいと申しておられます。・・・観梅の宴を張りますので ・・・」
・・・・・略・・・・
「観梅の宴は取りやめにした。」
「梅の下に立つつもりで このように装って参りました。それにいたしましても、観梅の宴がお取りやめになりましたら 失礼させて戴きとうございます。」
「なるほど、満開の梅の下に立ったら、今日の額田はみごとであろう。そのように装ってきたとあらば、そのように
しなければなるまい。」
・・・・皇子はいきなり体を翻し、馬に跨ったと見るなり・・・
如何ですか。一度テレビで ドラマ化されたのを見たことがありますが・・・・
本のほうが 素敵です。
新潮文庫で あります。私の本は 既に黄色くなって 見にくいのですが 時々読み直しています。
この時代の短歌が たくさん出てくるので 楽しみな本です。