雪の重みに耐えかねて 折れた桜の小枝を拾ってきました。花瓶にさして一足早い春を楽しもうと思い
ます。この時期になると なんとなく梅や桃の木々の先が色づいてきます。もしかしたら春を待つ気持ち
で見るのでそうなのかもしれませんが うっすらピンク色が増してきます。同じように柳もなんとなく芽吹
きの色が滲み出ています。そんな時何時も思い出して思い出せないのが 昔教科書に出ていた啄木の
歌・・・・
やはらかに柳あをめる
北上の岸辺目に見ゆ
泣けとごとくに
やわらかな春色に 季節のうつろいを感じます。
平成8年の短歌誌「響」の3月号の巻頭で 古田十一朗先生は こんな歌を取り上げています。
おのずから冬の日かずの暮れ行けば待つともなきに春は来にけり
貞心尼
つつましきものにもあるかけむるごと最上川に降る三月の雨
斉藤茂吉
そして お粗末さまです。私の短歌
身の丈に積もりし雪に枝垂るる桜の梢芽ぐみ始まる
屋根の雪なだれ落つれば地響きして窓いっぱいに雪煙立つ