彼——尚哉さんとは、週に何度かスーパーで会うようになった。


「奥さんの好物ですか?」


「いや、子どもが好きで」


会話は他愛もないものばかり。

でも毎回ほんの数分話すだけで、不思議と心が軽くなる。


「よかったら、今度一緒にお茶でもどうですか?」


「はい、行きましょ」


そんな誘いがあったわけではないが、

そんなやり取りを期待していた。


ただ会話が続くのが嬉しくて、少し遠回りして帰る日が増えた。