C・イーストウッド主演「人生の特等席」の試写会に寄せて。 | 古内義明オフィシャルブログ「メジャー地獄耳」Powered by Ameba

C・イーストウッド主演「人生の特等席」の試写会に寄せて。

ワーナーエンターテイメントの広報様からのお招きで、

クリント・イーストウッド主演の「人生の特等席」の試写会に足を運んだ。


舞台はジョージア州アトランタ。ブレーブスの本拠地である。


メジャーリーグ最高のスカウトと言われるガス・ロベル(C・イーストウッド)は頑固で昔気質を絵にかいたような男。いまでは当たり前のデジタルを駆使するようなスカウティングではなく、五感を重視するアナログな手法で数々の名選手を発掘してきた。


そんなガスには、一人娘のミッキー(エイミー・アダムス)がいる。妻を早くに亡くし、エイミーは6歳で見知らぬ親戚に預けられ、13歳で寄宿舎に預けられた。そんな幼少時代の経験から、ずっと父親に嫌われていると思い、感情表現が苦手だったが、父が喜ぶと思い弁護士としてキャリアを積んでいった。


ここですべてのストーリーはふせるが、球団からスカウトとしての眼力に不信を抱かれ、同時にガスの視力に衰えが出始める。球団は今度のドラフト1位のスラッガーの見極めをガスに任せることに。父の目が失明することをきいたミッキーは、昇進のチャンスを放り出して、父のもとに駆けつける。


そして、二人の旅路が始まることに・・・。


遠い昔、過ごしたスカウトの日々を思い出すかのように、二人は木造のスタンドに腰をおろし、目の前の才能に目を光らせる。そして、父と娘は、これまでの人生に向き合っていく・・・。



これまで50球団のマイナーリーグやアメリカの大学野球を取材したことがあるが、スカウトの仕事はまさに旅そのもの。道沿いのモーテルに泊まり、すぐそばのファミレスやバーで長い夜を過ごす。スカウトたちが交わす言葉もリアリティがあり、職人気質がよく描かれている。


アメリカの野球場は社交場だ。小さな町であれば、家族連れが当たり前。父親からお小遣いを渡された子供が、恥ずかしそうに、わたあめやクラッカージャックのお菓子を買う姿は当たり前。お爺ちゃんからスコアブックの書き方を教わる孫。披露宴を行うカップルもいる。


人生の様々な人間模様が、野球場に凝縮されているのだ。


私にも主人公のガスと同じく娘がいる。

まだ小学生だが、マイナーやメジャーリーグの試合に連れて行ったことがある。

だから、この映画には感情移入せずにはいられなかった。


そして、娘と一緒に見たい映画にもなった。


人は、誰にでも人生の特等席がある。

いつの日か、成長した娘とスタンドに並んで座り、「人生の特等席」を聞いてみたい。



*映画は明日23日の金曜日から公開です!!