アメリカ・メディアが伝えたWBC | 古内義明オフィシャルブログ「メジャー地獄耳」Powered by Ameba

アメリカ・メディアが伝えたWBC


WBCについて、日米メディアの温度差は、かなりかけ離れたものだった。


いまアメリカでは日本の「甲子園」のような全米大学バスケットボール選手権が最も関心の高いスポーツで、大きな注目を集めている。「WBC」という言葉の認知度で言えば、アメリカ人にとってはボクシングの「WBC」の方がはるかに上だろう。


アメリカ代表のゲームは日本のような満員のスタンドで行われず、第2ラウンドのマイアミ会場では、近くでやっていたメジャーのスプリングキャンプの動員数に負けていた。


WBCについて、メディアがページを割くことは少なく、「アメリカ代表が最高のメンバーではない」「大会そのものに疑問がある」「けが人続出」という斜に構えた報道が多かった。


しかし、WBCでアジア勢が躍進し、アメリカ代表が2大会連続で結果を残せなかったことで、言い訳がましい報道は姿を消した。それよりも、「日本の野球に学ぶべき」、「アジアの野球の進化」「アメリカはWBCに真剣に考えるべきとき」など、"野球発祥の国"というプライドの危うさを指摘する報道に変わってきた。


これは非常にいい傾向だった。


ほとんどのアメリカ人が、「メジャーリーグこそ世界最高」と思っている。「WBCって言われても、なんのことやら」という程度だ。


だからこそ、アメリカの世論が、「やはりWBCに最高の選手を送り出すべき」という盛り上がりを見せないと、WBCが真の世界一を決める大会には成熟していかないだろう。