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本日のお題は「スタン・ケントン楽団の人気ビッグバンド楽譜5選」です。
スタン・ケントン楽団はカウント・ベイシー楽団などに比べると日本では認知度が低いように思えますが、スタン･ケントン、そしてその楽団について簡単に紹介させてください。
スタン・ケントン（Stan Kenton）は、アメリカのジャズピアニストであり、ビッグバンドのリーダーとしても著名です。
彼の楽団は1940年代から1970年代にかけて活躍し、特に革新的で前衛的なサウンドを特徴としました。スタン・ケントンの音楽スタイルは、従来のスウィングやビバップから一線を画し、クラシック音楽やアバンギャルドの要素を取り入れた独自の「プログレッシブ・ジャズ」と呼ばれるものです。
特に1950年代には「インターミッション・リフ」、「アーティストリー・イン・リズム」などの作品で注目を集め、ジャズシーンに大きな影響を与えました。
スタン・ケントン楽団は、演奏の複雑さやダイナミズムが特徴で、トランペットやトロンボーン、サックスセクションが壮大かつ劇的なアレンジを行うことが多かったです。
また、彼の楽団には多くの優れたミュージシャンが所属し、キャリアをスタートさせた者も多くいます。例えば、メイナード・ファーガソン、コンテ・カンドリ、ジェリー・マリガン、ビル・ホルマン、スタン･ゲッツ、チャック・イスラエルズ、などが挙げられます。
ここでメイナード・ファーガソンの名前が出てくるとは！
スタン・ケントン楽団関係の楽譜はSierra Musicから沢山出版されています。
180タイトル弱もあります。凄いラインナップですよね。この中でも特に人気のある楽譜5選をご紹介させていただきます。
Misty(arr. Gene Roland)
アルバム「Adventures in Jazz」に収録されていたアレンジです。このアルバムではメロフォニアムをフィーチャーしていますが、Alto Sax, Tenor Sax, Trumpets, in C (ト音), in F用のソロ譜があり、また出版社としては歌詞は書いていないもののヴォーカルのフィーチャーも想定しています。
Zoot (Bill Holman)
スタン･ケントン楽団のレパートリーですが、Rob Parton's Jazztech Big Bandの軽快な演奏も有名。テナー・サックス奏者のズート・シムズに捧げる曲です。
アップテンポのノリの良いスウィングです。
Polka Dots and Moonbeams (arr. Bill Holman)
トロンボーンをフィーチャーした美しくも情熱的なアップテンポ気味のバラードです。カール・フォンタナのソロを想定してアレンジされています。
Time for a Change (Hank Lavy)
スタンケントン楽団のアルバム「Kenton 76」に収録されていたアレンジです。
譜面作成ソフトで作成された、新しいエディションです。初めてフルスコアが付きました。
古いバージョンのサックスの編成はATTBBでしたが、このバージョンでは標準のAATTBに変更されています。
Time for Love (arr. Hank Lavy)
トロンボーン・セクション・フィーチャーの美しいバラードです。
※YouTubeの参考演奏はこの楽譜を元にホルンを増やして録音されています。また、ハーマンミュートをつけてオブリガードを吹いているトランペットですが、楽譜の指示はフリューゲルホルンでの演奏になっています。
如何でしたでしょうか？同時期に活躍していたビッグバンドには、カウント・ベイシー楽団、デューク・エリントン楽団、ウディ・ハーマン楽団、ベニー・グッドマン楽団などありますが、多くのビッグバンドがジャズを重んじているのに対してスタン・ケントン楽団はモダンでアヴァンギャルドであるポイントが他のビッグバンドと一線を画していたと言えます。
楽譜の編成がトランペット、トロンボーンともに5パートあるのが手を出しにくいポイントでありますが、多くの楽譜はそれぞれ4パートでも演奏できますので、まずはどんな曲なのかを聴いていただいて判断をしていただければと思います。
気に入った楽譜があれば、是非演奏してみてくださいね。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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